最終項『宝探しー?ぉーぱるのつるぎー』
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GAaa!』
ジャバウォックの死角から〈マッドハッター〉が赤い光芒を引きながら、重単発技〈ヴォーパル・ストライク〉を怪物の横っ面へと叩き込む。 赤いダメージエフェクトを発生させながら、ジャバウォックの胴体が大きく揺らぐ。 発生した決定的なスキに、待機していたシィと〈ウォッチ〉の両名が各々の武器にライトエフェクトを纏わせ、ジャバウォックにダメージを与えていく。
『GYa、Aaaaaa!!』
「退がれっ!」
早くも1本目の半分が消滅し、ジャバウォックが獣のような雄叫びを上げ、体を大きく捻る。 おそらくは何かの技の予備動作なのだろう。 後退の指示を出し退がった直後に轟ッ、と風が唸りを上げて巨躯を一回転させたジャバウォックは大樹のように太い尻尾で全方位を薙ぎ払った。
指示出しが功を奏したのか今の一撃による被害はなく、ジャバウォックを囲むように散った四人は油断なく構え、ジャバウォックの挙動を伺っている。
攻撃の手が一度止んだことで、蓄積された憎悪値もリセットされ、ジャバウォックは近くにいたウォッチへと紅い双眸を向ける。 が、しかしーー
「こっち、向けぇぇ!!」
事前の取り決めで前衛を受け持った俺へとジャバウォックのヘイトを向けるために、力いっぱい叫んだ。 暫し遅れて、アォォォォォン、と遠吠えのようなサウンドが響き渡り、長い首が自分へと向けられた。
壁役御用達の憎悪値操作スキル〈挑発〉の言わば、〈人狼〉スキル版。〈ウルフハウル〉により、自身のHPバーの下に〈タゲ集中〉を表すターゲットマーカーとオマケの〈攻撃力上昇〉のバフが並んだ。
『GYaaaa!』
「……よっと」
床を蹴り、飛びかかってくるのを躱しつつ、ヘイトを持続させるために攻撃を再開させる。 無防備に曝された胴体に〈抜刀術〉の強烈な一打を叩き込むが、それだけでは止まらず、静止したはず刃に新たな輝きが宿る。踏み込み両者の距離を縮めると、斬り上げ、即座に刃を返してもう一度、袈裟懸けに斬りつける。
ユニークスキル〈抜刀術〉をコンプリートしたことにより、数は少ないが即座に次のソードスキルに繋げられる〈派生技〉。 そのうちのひとつ、〈燕返し〉だ。
威力もあり、使いがってもいい。 本来のボス戦なら綿密な計画の上で、自分は壁役からタゲを移動しないように攻撃に手心を加える必要があったが、今回はその心配は無用だ。 故に思いっきりやれる。 遠慮なんかはなからする気がない。
「ハァァァァァッ!!」
鉤爪による攻撃を抜刀で弾き返し、カウンターの〈燕返し〉で体力を削る。 ユニークスキル〈抜刀術〉のフル使用により、戦闘開始から間もなく1段目のHPバーが削りきられて消滅する。
『GYa……Araaa
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