機動戦艦ナデシコ
1365話
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「なるほど、向こうもかなり頑ななのか。……どうする? 木連がそんな状況では、このままここにいても意味はないんじゃないのか?」
会談の内容を聞いたイザークの第一声がそれだった。
オウカの方もそんなイザークの言葉に異論はないのか、頷く。
「そうですね。ここまで地球に対する敵意を抑える事が出来ないというのは、予想外だったのでは?」
「それは否定しない。ただ、それでも一方的にこっちとの交渉を向こうから打ち切るという事がないのを考えると、可能性としては……」
そこまで呟き、草壁の表情を思い出す。
自らの信念に一切の疑念を持たず、その信念に殉ずるだろう姿。
上に立つ者として考えれば、間違いなく素質があるのだろうが、それでも草壁の姿に何か感じるものはあった。
「どうだろうな」
「おい、お前がそう言ってどうする」
どこか呆れたようなイザークの言葉。
だがこうして思い出しても、草壁の考えを変えるというのは難しいように思える。
「明日から交渉をするから、そちらで上手く話を進めることが出来れば何とかなる……かもしれないわね」
エザリアも草壁の態度にその意思を変えるのは難しいと感じているのだろう。
いつもとは少し違い、自信を感じさせない口調だ。
「そっちの方は任せた。今日は初会合という事もあって俺が前面に出たけど、やっぱり交渉とかは本職に任せるに限るしな」
「ええ、そっちに関しては任せて。ちなみに最優先するのは、プラントの確保よね?」
「そうだな。……もっとも、かなり難しいだろうけど」
木連が現在地球を相手に優位に立てているのは、火星古代文明のプラントがあってこそだ。
どの種類のプラントが具体的にどれくらいあるのかは分からないが、それでも決して簡単に俺達に譲れる程という訳ではないだろう。
それだけのプラントがあるのであれば、それこそ一気に地球に攻め込んでいた筈なのだから。
しかも俺達が欲してるのはカトンボ、ヤンマ、チューリップという木連にとってはかなり重要度が高いだろう宇宙艦のプラントだ。
特にチューリップは木連にとって命綱と言ってもいいような存在だけに、どうしたって向こうがそう簡単に俺達に譲渡するとは思えない。
それこそシャドウミラーが全面協力をするという条件を出せば話は別かもしれないが、正直そんな事は真っ平御免だ。
「具体的に、どの程度まで譲歩してもいいの? 向こうからその3つのプラントを譲渡するとなると、相当な譲歩が必要になると思うけど」
「……そうだな、資源に関してはある程度は問題ないだろ」
そもそもシャドウミラーが他世界に輸出している資源は、そのほぼ全てがキブツによって生み出された物だ。
レアアースやレアメタルといったものから、石油、鉄。中に
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