第一章 WORLD LINK 〜Grand Prologue〜
とある魔術の禁書目録 〜とある「欠片」の聖人模倣〜
[1/4]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
「ふ―――っと!!!!」
蒔風が病室から飛び出し、アックア・レプリカに飛びかかる。
その漆黒の体躯をうならせて、巨大な|棍棒(メイス)を蒔風に振るった。
対し、空中で背の三本剣を握り流れる動作で獅子天麟に組み上げる蒔風。
「おおおおぁ!獅子天麟っと!!!」
バッ、ガギョ!!!
蒔風が、自身を仕留めようと振り下ろされたメイスに対して獅子天麟で受けるが、弾き飛ばされ別のビルの屋上に着地する。
そこに更に叩きつけられるメイス。
追撃が止まらない。
ビルからビルに飛び移り、体勢を立て直す蒔風。
次第に交互に飛び交いながら打ちあっていく。
(何て野郎だよアックアってのは!!一番重量のある獅子天麟がビリビリ言ってんぞ!?)
それもそのはず。
「後方のアックア」はこの世界では「聖人」と呼ばれる人間である。
聖人とは、「神の子」と身体的特徴が似通った人間のことで、ゆえに莫大な力をもった者のことである。
さらにアックアは「神の子」だけではなく「聖母」とも身体的特徴が似ている。
つまりは、「神の右席」で「聖人」で「聖母」なのが後方のアックアという人物なのだ。
レプリカとはいえ、その力に落ち度はない。
「奴」の力はそんなに荒くはない。
ガバァン!!ドギャ!!ゴガゴン!!!
ビルとビルとを跳ねまわりながら打ち合い、飛んでもない音を立てて移動していく二つの影。
地上の人間が何事かと上を見上げる頃にはそこにあった二つの影はない。
猛スピードで動いていく二人。
蒔風がビルに着地と同時にまた跳躍する。
何度目になるかわからないアックア・レプリカとの衝突。
しかし、到底届かないであろう位置から、アックア・レプリカはメイスを振るってきた。
すると、これから打ち合う体制に移行しようとしていた蒔風に、暴風が襲いかかった。
暴風といっても、それだけでは言いきれまい
突風 暴風 轟風 烈風
それらあらゆる風がまじりあい、風であるにもかかわらず、何かが激突したように蒔風を物理的に叩いたのだ。
その衝撃を、蒔風は顔面でしか受けることができなかった。
空中でのけ反り、体勢を崩す。
そこにアックア・レプリカが二撃目を、今度は直撃コースで振るってきた。
「だああああああ!!っそい!!」
それを蒔風は仰け反ったまま一回転して獅子天麟で真っ向から受け止めてしまった。
再三の激突に両手は痺れており、さらには無理な体勢から受けてしまっては、蒔風の両手は獅子天麟を握っていることができなくなる。
街のどこかに獅子天麟が落ちていく。
落としてはしまったが、取りに行くこともできない。
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ