第一章 WORLD LINK 〜Grand Prologue〜
とある魔術の禁書目録 〜とある病室の珍客騒動〜
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とにかく「奴」って野郎がカミやんの命を狙ってるなら、防ぐだけだ」
「私は上の方に連絡してきます」
神裂が病室を出ていく。
携帯を使用するためだろう。
「ま、もともとカミやんは狙われてるから、防衛線張るのは難しくはない」
「もともと狙われてる?」
「そうそう。カミやん、いろんなことに首つっこみまくっちって、ローマ正教の邪魔物になっちまってるんですたい」
「全く。とうまはとにかくなにかしてないと死んじゃう病気にでもかかってるんじゃないかと思うんだよ?」
「ちげぇよ!オレはいつもいつも巻き込まれてんだ!オレからなんて・・・インデックスさん?なんですかその目つき!?わたくし間違ったこと言いましたかね!?」
上条の右手、正確には右手首から先。
そこには幻想殺しと呼ばれる能力がある。
それは世界の意志だろうが神の奇跡だろうが、それが異能の力ならば、問答無用で消し去る力だ。
上条は今までこの力ひとつで様々な敵に立ち向かってきた。
「まあ、とにかく上条の命が狙われてるんだけど・・・」
「?どうしたんだよ。何かあんのか?」
「いや、その後方のアックアってのが気になってな。そいつ、昨日戦ったんだよな?」
「そうだけど」
「めちゃくちゃ強いんだよな?何だっけ?神の・・・ローマ正教四天王だろ?つまり」
「そうにゃ〜」
「いいのかよそんな説明で!!」
「じゃあ・・・はぁ〜〜あ、利用されるよなぁ、そりゃあ、よお!!」
蒔風が上条の右手を掴み、病院の窓に向かって突き出させた。
直後、そこに突如として飛来したのは黒い巨大な棍棒だった。
放っておけば病室に突っ込み、中の人間をミンチにできるその物体を、上条は触れただけで撃ち消してしまった。
「おお〜〜。これが幻想殺しか」
蒔風が感心しているが、当の上条としては心臓バクバクである。
「なにすんだ!!ってか、あれはなんだ!?」
「「奴」だよ。正確には、「奴」の能力で作られたアックアってやつのレプリカだ。とりあえずボコしておこうってわけらしいな」
説明しながらも、蒔風の視線は病院の外に向いていた。
じっ――とめをこらしていると、結構遠くの、同じくらいの高さのビルの屋上に、黒い影が立っているのがみえた。
「あれがアックア?あのシルエットであってる?」
「まあ・・・な・・・遠いけど」
「あんな魔術、私知らないよ?」
「知らなくて当然だっての」
あーあチキショー
まるでそういった雰囲気を放ちながら、ゴキゴキと蒔風が拳を鳴らし窓の縁に足をかける。
「おい・・どこ行くつもりだ」
上条が蒔風に聞いた。
「あれ
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