第14話 初仕事は人探し
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「さっ! ゼクト! これが クエスト・ボードだよ! ここに依頼書が張ってるからここでどんな仕事をするか選ぶんだよー」
レビィは、クエスト・ボードの前に立って、無数に張り付けられた依頼書そう言う。
「へぇ……、沢山あるねー……」
ゼクトは、1つ1つの依頼書を見ていた。その内容も同時に。
ちなみに、説明をしておくが、ゼクトは字の読み書きは問題なく出来る。それには訳があるのだが……、ここは割愛しよう。
「えーと、なになに〜……『探し物探してます。形見の指輪……』『盗賊捕縛依頼……』『呪術陣の解放』『術式の解読』……へぇー、種類も多いなぁ」
本当にたくさんある。だから全てを体験するのは、正直一長一短では無理だ。初めての仕事だからこそ、それも レビィが自分の為に一緒に来てくれるから。
「わー……、ほんと いっぱいだね……ん〜 何にしようかな……」
ゼクトは、なかなか決められない様子で、考え込んだ。
その姿を見たレビィはゼクトの隣に立ち。
「あはは………。ゼクト、そんなに考え込まないでいいと思うよ?? ほら、気軽に決めちゃったら? でもまあ、流石に、危なさそうな仕事は、受注する時に、マスターがストップかけると思うけどね。ゼクトなら大丈夫〜カモだけど、やっぱり 初めての仕事だからさ?」
レビィは笑いながらそう言った。
ゼクトの実力は、殆ど証明されていて、申し分ないとは思えるが、レビィが言う様に初めての仕事。失敗率が高いのも事実だ。だから、初めは 難易度が低い仕事から徐々にならしていくのが、スタンダードだ。
ゼクトは、それを訊いたが、まだ考えていた。理由は勿論ある。
「ん〜〜でもさ? もうちょっと考えさせて? だってさ……」
「え??」
ゼクトは、レビィの顔を見て、にこっ と微笑む。
「だってさ、今回の仕事、……レビィとの初めての仕事だからね? 沢山、沢山 考えたいんだ!」
ゼクトは微笑みを浮かべたまま答えた。
全く予期してなかった答えだ。ただ 純粋に初めての仕事だから、ちょっと慎重になっている? 程度にしか考えてなかったレビィ。
当然………。
「ッッ///」
顔を真っ赤にさせる。いや、必然だと言えるだろう。狙った訳でも打算的な訳でもないゼクト。これが彼のスタンダードなのだから。
「う〜ん……どれがいいかな……」
そして 勿論 そんなレビィの事は知らず、ゼクトは再びクエスト・ボードを見て仕事を選んでいた。
そんなゼクトの背を見ながらレビィは、頬を何度も抑える。
「(も〜〜……// ゼクトってば、いきなりは、やっぱり ずるいよぉ……)」
レビィは必死に顔を元にもどそうとしていた。
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