第五十六話 最終編第二話!巨人は永遠に最下位でいろ!!その四
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「彼等は日帝衆の敵ですが」
「昨日まではでごわす」
西郷は一尉に対してはっきりと答えた。
「日帝衆と彼等は戦ってきたでごわす」
「しかもその間です」
その五十四回の勝負においてだ。
「彼等は常に卑怯卑劣の極みをしてきましたが」
「だから勝てばいいんだよ」
「結果が全てだろうが」
その卑怯卑劣の極みを尽くしてきた二人の言葉だ。
「それの何処が悪い」
「勝った奴が正しいんだよ」
「しかもこの性根です」
一尉は二人を指差して言った。
「腐敗しきった、人間の屑の中の屑の中の屑の中の屑の中の屑の中の屑の中の屑です」
「屑屑ってうるせえな」
「今更そんな言葉でどうも思わないぜ」
「ネットで死ねって一億は書かれてるからな」
「平気だぜ」
こう言うのだった、二人は。
「何とでも言いやがれ」
「手前の家に不幸の手紙を送るだけだからな」
「しかも奥さんにホモ場面のコラ画像も送ってやる」
「そうして家庭崩壊させてやるだけだぜ」
「こうした者達でもですか」
一尉は二人を無視して西郷に問い続ける。
「食事をですか」
「今彼等は誰と戦っているでごわすか」
西郷はその澄んだ内藤高治、昭和の剣聖の如き目で一尉に問うた。
「一体」
「ジャビット星人ですが」
「そうでごわすな、ではでごわす」
「共に地球の平和を脅かす敵と戦っている」
「ならばでごわす」
「彼等もまた同志ですか」
「同志だからこそでごわす」
それ故にというのだ。
「共に食事をするでごわす」
「何という広いお心」
西郷の言葉を聞いてだ、一尉は心から感銘を受けて述べた。
「これまでの敵に対してそこまで為さるとは」
「おはん達にも問うでごわす」
西郷はジャスティスカイザーの二人にも問うた。
「どうでごわすか」
「ああ、やっぱり日帝衆は違うな」
「器が大きいな」
「俺達に飯奢ってくれるなんてな」
「剛毅だぜ」
二人も西郷の器の大きさには感服して言う。
「じゃあ遠慮なくな」
「戦いが終わるまで三食腹一杯頂くぜ」
「ではでごわす」
西郷は二人の言葉を受け瞑目して述べた。
「今日のお昼の麦飯とお漬けもの、お味噌汁を食するでごわす」
「何だよそのメニュー」
「滅茶苦茶質素じゃねえか」
朝食ではない、あしからず。
「粗食の極みだな」
「武士の食事か?」
「左様、おいどん達は武士でごわす」
やまとおのこと言ってもいい。
「だから常に贅沢を避けてでごわす」
「そんな食卓かよ」
「毎日毎食それかよ」
「食は贅沢であってはならないでごわす」
絶対にという返事だった。
「そして日帝衆なら誰でもでごわす」
「粗食かよ」
「麦飯かよ」
「稗や粟もでごわす」
そうしたものもというのだ。
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