Another story
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これは音乃木坂学院3年生、絢瀬絵里の小さなお話である
「音乃木坂学院は来年より生徒募集をやめ、廃校とします」
始業式で理事長が告げた突然の廃校の知らせ
最初は言っている意味が理解できなかった
私はステージ裏でカタカタと震えていた
どうして廃校になるの?
3年生は3クラス、2年生は2クラス、1年生は1クラスと生徒が年々減少している。原因はきっとそこにあるんじゃないか
でもどうして生徒の数が減っているのかわからなかった
国立高校の割には学校全体の学力は低く、かと言って部活に力を入れているわけでもない。中途半端で生徒が集まらないのも無理はない。
でも、生徒は自由に勉強でき、それぞれの個性を活かすことができる。
設備も充実していて、不便と感じたことはない
私はこの学校が大好き。みんなが楽しく高校生活を送ることのできるこの学校が大好き。
だから守りたい.....おばあさまの母校であるこの学校を守りたい。
おばあさまが大切にしてくれた...だから今度は私がおばあさまの為に!
コンコン
「はいどうぞ」
「失礼します」
ガチャ
とにかく私に何ができるのか知りたかった
まずは理事長に確認しないとね
「こんにちは」
「はい、こんにちは。どうしたのかしら?」
「単刀直入に聞きます。先程の廃校について、決定事項なのでしょうか?」
「....と言いますと?」
「もし決定事項ではなく暫定というのであればウチらで何か活動できないかと思いまして....」
隣の親友...東條希は隠すことなく述べる
「暫定よ。今はまだ」
「本当ですか!!」
思わず声をあげてしまう。
「では私達生徒会を廃校阻止のために活動させてもよろしいですか?」
「それは何故?」
何故って...それは当たり前じゃない。学校が無くなって欲しいなんて誰も思わないのに。何故理事長はそんな質問をしてくるのかしら
「もちろん、私のお祖母様の母校を守るためです。このままでは--「ダメよ」
「え?」
私の言葉を遮って理事長は拒否の返答をした
ダメよ......それはつまり、生徒会が活動してはいけないということ?
「生徒会の廃校に対する活動は認めません」
「な!なぜですか!」
あくまで理事長は笑顔。その様子がより私を苛立たせた
「私は守りたいのです!ここが無くなれば、お祖母様の思い出も消えてしまいます!私はそれが嫌なんです」
私は懸命にお願いするも返ってくるのは決まって
「それでも、認めません」
だけだった。
「ですが--「えりち!」
親友に
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