本編
第九話
[4/5]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
た。
「やりすぎ」
「てへっ」
タバサの小言にわざとらしく答えるルイズであった。塔の上から見ていたサイトは頭にたん瘤を作りながら小首を傾げるルイズの姿を見て、こう称した。
「あざとい」
「ひゃっはっは、生きてるって素晴らしいっ!おおーい、あざといとかなんとかどうでもいいから早く降ろしてくれー!そしてなんでもいいからオレを使って切ってくれー、今なら何でも切れそうな気がするぜー!」
「……まあ目の前であれ食らったらそんなテンションにもなるわな」
生の喜びを噛み締めるデルフリンガ―を吊り下げていたロープを手繰りよせ、サイトはデルフリンガ―を救出した。そして丁度そのタイミングで、サイトは何かに付き動かされるようにデルフリンガ―を抱えたままなりふり構わず塔から飛び降りた。サイトの経験から来る勘が危険を訴えたのだ。
サイトは落ちながらも、空を蹴ることで落下速度を落とし、危なげなく地面に着地した。そして着地したと同時にサイトの頭の上を重量のある何かが過ぎ去った。
それは腕であった。今まさにサイトが飛び降りた塔と同じ程の高さがあろう土くれの巨人が、その腕を振るっていたのだ。
「ゴーレム!」
誰かがそう叫んだ、それを機にその場にいた者達は全員行動を開始した。タバサはゴーレムとの距離を開けながら自らの使い魔を呼んだ、キュルケは咄嗟に杖を抜きながらもゴーレムの向いている方とは逆向きに走り逃げた。ルイズはゴーレムの手の届かないほどの高さまで飛び上がり油断なくゴーレムへと杖を向けていた、そして最後にサイトはデルフリンガ―を邪魔にならないように背負い、刀に手を掛けたままゴーレムへと駆けた。
タバサは状況の不確かさを考え次に繋げるための行動を、キュルケはゴーレムと自身との相性の悪さを理解しているために逃げの行動を、ルイズは直感に突き動かされ相手の射程外かつ自らの射程内まで下がる行動を、サイトは躊躇うことなく自分を信じて攻めの行動を、それぞれ行っていた。
サイトがゴーレムに到達し、一瞬の煌めきの後、ゴーレムの足がずれた。サイトがそのゴーレムの足を切ったのだ。バランスを失ったゴーレムが倒れそうになるのを避ける為にサイトはそのまま走り抜ける。
しかし倒れるかにみえたゴーレムの足元から土が盛り上がり、再びゴーレムの足を形成した。土くれで造られたゴーレムは土さえあれば再生するのだ。
足を取り戻したゴーレムはサイトに目もくれず再びその腕を振るい始めた。ひたすらに塔を殴りつけるゴーレムの姿に一同は疑問を抱えた。行動の理由が理解出来ず、ルイズ達は一先ず様子を伺っていた。そんな時、学院の寮のほうから誰かが歩いてきていた。
「さっきから眩しかったドンドン五月蠅かったり、いったいなんなん………っ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ