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魔法少女なゼロ!
本編
第九話
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うように形成する、発射方向とは水平に展開されるそれを円陣を組むように重ね、さらに縦方向にも同じ物を二列形成する。そうして円形の魔法陣により構成される砲身は出来上がる。

 それぞれの魔法陣からルイズの魔力が放出され、砲身の外に漏れることなく内へと積もる。数秒の溜め時間を挟んで、ルイズの魔力により編まれた砲弾が完成する。そして最後にもう一手間、テゥ―スがその砲弾へ非殺傷設定を付与する。

 あとは引き金を引くだけ。

「ロード完了、いつでもいけます」

 最後の役目はテゥ―スの持ち手であるルイズの役目だ。

「エクス――」

 これこそがゼロであるルイズが行える唯一の魔法、応用や発展形は幾つかあるがもっとも基本となるのはただ一つ。

「――プロ―ジョン!」

 それ即ち爆発である。

 一見して膨大な熱量を含むように見えるそれは一本の光の線であった。ルイズの魔法の爆発によるエネルギーを一点に集中して目標に向けて真っすぐ解き放った物であった。荒れ狂う力をただ真っすぐに飛ばしただけである。つまり、多くの地球人にとって分かりやすく言うならば波動砲やかめはめ波、もう少し濃い例えを出すなら約束された勝利の剣、マスタースパーク、ようは極太ビームである。

 そんなビームが迫りくるのを(目がどこにあたるのかは分からないが)目にしたデルフリンガ―は己が死を悟った。果たして無機物であるデルフリンガ―に死という概念が適正かどうかはわからないが、デルフリンガ―自身は確かに己が砕け散る姿を幻視した。人が死に際に走馬燈のように過去を思い出すように、知性あるデルフリンガ―もまた過去を思い出した。

 自身の最初の担い手が誰であったか、本来の自身の姿と能力、長い時を経て忘れてしまっていたそれらを思い出した。そして、最初の担い手の元に自身があった時、何か悲しい事があったこと、その詳細を思い浮かべようとしたその瞬間、デルフリンガ―の僅か数センチ隣をルイズのビームが通り抜けた。

 デルフリンガ―はそこで我に返った。周囲の状況を確認すると自身が生きていることを実感し、無い瞳から涙が出そうな気分になった。不思議な事に膨大な力を持っているように見えたビームは塔の壁にぶつかり霧散していた、これこそが物理的なダメージをカットし魔力のみにダメージを与える非殺傷設定なのだが、デルフリンガ―は当然そんなこと知る由もなかった。そしてその事を不審がるも一先ずは自分が生きている事をデルフリンガ―は喜んでいた。結局、思い出しかけた悲しい記憶は再び、忘れ去られたままであった。

「ふう…すっきりしっ痛い!」

 ビームを撃ち放った張本人であるルイズが、満足気にしていたのを見て、ルイズの隣で見守っていたもう一人の人物であるタバサがルイズの頭を持っていた杖で軽く小突い
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