機動戦艦ナデシコ
1364話
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ラーの本拠地は、火星だ」
その件を知っていたのかどうかは分からない。だがそれでも、火星を俺達が本拠地としていると告げた草壁の表情は間違いなく硬くなった。
この辺、多少疑問がある。
例えば、木連にとって火星はそんなに大事なのかと。
連合軍と違い、無人機のチューリップからの転移によって地球に侵攻している木連にとって、補給地という意味合いでの火星は決して必須の場所ではない。
なのに、何故こうも火星を重要視している?
実際俺達が火星を奪還している今も、火星には多くの無人機がまだ残っている。
火星が居住可能なまでにテラフォーミングされているから?
いやいや、それだって俺達が火星を占拠する前は木連の無人兵器が火星を占拠していたんだから、そのまま兵力を火星に置いておく必要はない。
ただでさえ木連は地球に比べて国力が小さいんだから、その兵力を無駄な場所に配置する必要はない筈だ。
チューリップがあるから戦力の移動には苦労しないのだろうが……それでもやはり疑問が残る。
そこまでして火星に執着する理由は何だ?
可能性として一番高いのは、やはり火星古代文明に関する何かだろう。
その遺産を基にして木連という国を作っている以上、木連にとって火星古代文明の遺産があるとすればどうしても放っては置けない筈だ。
……ネルガルの研究所にも火星古代文明の遺産があったんだし、何より木連がその遺産と思われる生産プラントを利用している。
だとすれば、火星にまだ使用可能な遺産が残っていても不思議ではない、か。
「火星……ですか。正直、それは我々木連としては容易に認める事は出来ませんな」
難しい表情を浮かべている草壁。
ここで引く事が出来ないというのは、やはりそういう事なのだろう。
「認められないというのは結構。木連の意見として聞いておこう。だが、それをこちらが聞くかどうかというのは、また別問題だな」
「そうですな。こちらとしてもシャドウミラーと敵対関係にはなりたくありませんから。その辺りはこれから交渉をしていきたいと思います」
まあ、当然の選択か。
ともあれ、向こうが強硬手段で来ればこちらとしてもそれなりに対処しやすかったんだが……残念だ。
「分かった。交渉に関しては、こちらからはエザリアを出す」
その言葉と共にエザリアが笑みを浮かべて口を開く。
「エザリア・ジュールです。シャドウミラーの政治班の代表を務めています」
「何と!? か弱き女の身で政治家だというのですか。……なんともはや」
これはちょっとわざとらしいと言わざるを得ないな。
そもそも、ここにいるシャドウミラーの人員は俺以外はエザリア、あやか、千鶴と全員が女だ。
そうである以上、向こうもこの3人がどんな人物な
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