sts 25 「人間と戦闘機人」
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航空戦力をヴィータ達に任せた俺達は、地下通路を進んでいた。
通信妨害でなのは達と連絡を取ることはできないのが現状ではあるが、あらかじめ地下にあるローザリーホールを緊急時の合流地点として決めておいたのだ。
現在地上本部は大半の機能を失ってエレベーターといったものは使えない状態なのに大丈夫なのかと思うかもしれないが、なのは達ならば問題はなかろう。
あいつらは9歳の頃から魔導師として仕事をしてきた身であり、様々な訓練も受けてきているのだ。エレベーターが使えなくてもそのケーブルを使うなりして地下に降りてくるはずだ。
「――っ、マッハキャリバー!」
先頭を走行していたスバルが突然相棒の名を呼んだ。スバルの意志に応えるようにマッハキャリバーはプロテクションを発動させる。それとほぼ同時に小規模な爆発が彼女達を襲った。
地上本部内部や周辺で敵の存在を確認できる現象は多々あっただけにこの場での遭遇は予想の範囲内。故にスバルも素早く体勢を立て直し、彼女を追う形で走っていたティアナ達も臨戦態勢に入る。
直後、不意に凄まじい勢いでローラーが回転しているかのような駆動音が響いてきた。
それはスバルの相棒であるローラーブレード型のデバイス《マッハキャリバー》から発せられる音に酷似しているが、先ほどの攻撃でふたりは動きを止めている。故に考えられる可能性はひとつしかない。近づいてくる気配を感じた俺は反射的に声を発する。
「スバル、上だ!」
俺の声に反応してスバルが視線を上げると、上空の暗闇から人間サイズの影が迫ってきた。現れたのは赤い短髪の少女であり、彼女の装備はバリアジャケットを除いて考えればスバルと同じと言っても過言ではないほど近しい外見をしている。
赤髪の少女からの飛び蹴りを受けたスバルは防御こそ間に合いはしたが、そのあまりの衝撃に後方へ吹き飛ばされる。が、それを予測していた俺は空中でスバルを受け止めながら体勢を立て直した。
「つつ……」
「大丈夫か?」
「え、あっはい」
「なら早く臨戦態勢に入れ。気を抜ける状況じゃない」
俺とスバル、ティアナ達といったようにふたつに分断されてしまっているのが現状である。距離は離れているとも言いにくいものではあるが、俺達の間には無数の設置弾が形成されており迂闊に行動できる状態ではない。
「ノーヴェ、何か思いっきり攻撃したように見えたっすけど作業内容忘れてないっすか?」
戦場の緊張感なんて気にもしていないような気楽な口調で現れたのは、濃い桃色の髪を後ろでまとめている少女だ。手には背丈ほどある大きなボード型の武装が握られている。
「うるせぇよ、忘れてねぇ」
「捕獲対象3名、全部生きたまま持って帰るんすよ」
「旧式
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