sts 25 「人間と戦闘機人」
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そういう考えが気に入らねぇんだよ! あたしを人間扱いしやがって……あたしは戦闘機人なんだ。戦うために……人工的に生み出された存在なんだよ。人間と一緒にすんじゃねぇ!」
苛立ちを通り越し、殺意にも等しくなった感情をノーヴェは俺に真っすぐぶつけてくる。だが俺はそれから逃げるつもりは一切ない。それは魔導師としての仕事だからとか、フォワード達が見ているからじゃない。それらも理由ではありはするが、何より……ここで逃げてしまえば俺が俺でなくなってしまうからだ。
「確かに厳密に言えばお前は人間じゃないのかもしれない。だが俺は……たとえ人工的に生み出された命だろうが、機械が埋め込まれている人間だろうが誰かの代わりや兵器扱いするつもりはない。確かな自分の意思を持っているならば、どんな存在でも人間と変わりはしない」
「だから……あたしは戦闘機人だって言ってんだろうが。人間なんかじゃねぇんだよ!」
「いやノーヴェ、お前は人間さ。人間だからそんなに感情を顕わにして俺の言葉を否定するんだ。人間じゃないなら……」
「うるせぇぇぇッ!」
ノーヴェは跳躍しながら腕の周りに複数のスフィアを生成し、殺意にも等しい怒りの宿った瞳で真っすぐこちらを見据えて迫って来る。隣に居たスバルが迎え撃とうと構えるが、ノーヴェの動きを見たウェンディが動き始めているのを俺は見逃さなかった。
ティアナ達が自由に動けるならばこのままスバルと共に迎え撃つのも手ではある。だが今ティアナ達は大量の設置弾に囲まれていて身動きが取れない。戦闘機人のスペックを考えればこちらに攻撃しながら設置弾でティアナ達を攻撃することは可能なはず。現状で最優先すべきは戦闘不能者を出さずになのは達やギンガと合流すること。ならばここでの俺の行動は決まっている。
俺は素早くスバルの元に移動すると、彼女を抱きかかえながらその場を離脱する。直後、地面にノーヴェの一撃が直撃。地面を砕いたかと思うとスフィアが追撃する形で爆発を引き起こした。
続いて回避した俺達をウェンディがボード型の武器を構えて射撃。それと同時に設置弾でティアナ達を襲う。予想していた展開なだけに俺はスバルを左側に抱きかかえ直し、右手でファラを引き抜いて迫ってきた桃色の光線を断ち切った。体勢を立て直すとすぐさまティアナ達に念話を飛ばす。
〔お前ら平気か?〕
〔はい、大丈夫です〕
〔みんなと少し距離が離れましたけど問題ありません〕
〔僕も大丈夫。兄さん、ここからどうするの?〕
どうするかは当然決まっている。ノーヴェとウェンディの無力化、ではなくなのは達との合流だ。
目の前に居るふたりを無力化できるのが最も良いのだろうが、正直リミッターの掛かった今の俺では使える魔法に限りがある。また施設内を破壊すればそれ
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