sts 25 「人間と戦闘機人」
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女を俺に仕向けるように仕組んだのか、それとも単純に彼女が俺のことを気に食わないだけなのか……。
「ずいぶんと嫌われているようだが、レリック関連のことが原因なら俺だけが嫌われるのは納得できないんだがな」
「まあそうっすよね。確かにこれまでのことも嫌ってる理由に入ってるとは思うっすけど、根本的な理由は別にあるっすよ」
「おいウェンディ、人の事ベラベラしゃべってんじゃねぇ」
「別にいいじゃないっすか。黒衣の魔導剣士、ノーヴェはあなたの考えが気に食わないっすよ。デバイスとかを人間扱いするあなたの考えがね」
ウェンディという少女は俺を敵として認識しているのだろうか。何にでもあっさりと答えてくれそうなだけに疑問が湧いてきてしまう。
だがまあ俺に対する個人的なものだから話してくれただけで、さすがに重要機密まで話すわけではないだろうが。あのスカリエッティがそんな人物を何もせずに野放しにするとは考えにくいのだから。
「気に食わないって……いったいショウさんの考えのどこが気に食わないって言うの。デバイスにだって意思はあるんだよ!」
「うるせぇよ、それは人工知能が搭載されているであって人間の意志そのものがあるわけじゃねぇ。仮に意思があったともしても、デバイスの本質は魔導師を補助するための道具……云わば戦うための武器だろうが。それを人扱い? 虫唾が走るぜ!」
なるほど……確かにノーヴェの言うことは一理ある。
今の時代、多くの魔導師はデバイスの力を借りて魔法を使用している。魔法が犯罪者の確保に使われていることを考えれば、デバイスは戦うための武器と言われるのも仕方がない。
デバイス側から考えてもデバイスは自分の存在理由のひとつとして武器であることを望むことがある。そのため、ノーヴェの言葉が間違いだとは言いがたい。俺もかつて相棒のひとりから人間としてだけでなくデバイスとして本気で使えと言われたことがあるのだから。
だが俺は自分の考えが否定されているにも関わらず、ノーヴェに対してそこまで負の感情は抱いていない。むしろ好感のような感情さえどこか芽生えているような気がする。それはおそらく……彼女に彼女の意思がきちんと存在しているからだろう。
「……おい黒衣の魔導剣士、なに笑ってやがる? 何か言いたいことがあるなら言えよ」
「なら言わせてもらうが……俺はお前の考えを否定しない」
「へぇ〜、自分の考えが否定されてるってのいうのに黒衣の魔導剣士は心が広いっすね」
「別に広いわけじゃないさ。今の世界を考えれば、デバイスが戦うための武器だと言われても仕方がない……まあそれ以上にそいつの考えはそいつのもので、俺の考えは俺のものだ。無理やり自分の考えを押し付けるような真似をするつもりはない」
「――ッ、だから
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