sts 25 「人間と戦闘機人」
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とはいえタイプゼロがこれくらいで壊れるかよ……壁に当たる前に助けも入っちまったし」
ノーヴェと呼ばれた少女……戦闘機人はイラついた表情で真っすぐこちらを見据える。これまでに発せられていた言葉にも苛立ちが混じっていたが、どことなく俺に向けられている視線に含まれた苛立ちはそれらより一層強いように思える。
……俺の記憶が正しければ、あの赤髪の戦闘機人と対面するのは初めてのはず。にも関わらず、この俺に対する憎悪にも似た苛立ちは何なんだ?
「…………いや」
脳裏に疑問が浮かぶが、だがそれ以上に今考えなければならないのは別の事だ。
敵は今回の目的が生きたまま3人を捕獲するといった言葉を口にした。ブラフの可能性もありはするが、ブラフではない可能性も十分にありえる。
口にした目的が本当だとすればいったい誰を捕獲するつもりだ……そう言えばあのノーヴェとかいう奴、旧式とかタイプゼロだとか言ったな。
前にゲンヤさんから聞かされていた話から考えると、捕獲対象がここに居るスバルやギンガの可能性も考えられる。
一緒に居るスバルは俺がどうにかすればいいが、ギンガの方は現状ではどうすることもできない。ギンガも襲撃されてから合流地点に向けて移動を始めたとは思うが、俺達と同様に敵と遭遇している恐れは十分にある。
デバイスがなくてもなのはやフェイトはある程度の魔法は行使できるし、これまでの経験からその場に合った対応をするだろう。ギンガが無事に隊長陣と合流してくれているといいが……
だがそれ以上に俺が今最も危険視しているのは、六課に居るヴィヴィオだ。
ヴィヴィオはレリック絡みで保護した存在。故にこれまでレリックを狙ってきた戦闘機人……スカリエッティ一味が彼女を捕獲しようとしても何ら不思議ではない。六課に戦力が残っていないわけではないが、隊長陣を含めた主力はここ地上本部に集中している。敵側には複数の戦闘機人が存在しており、また召喚師といった存在も居ると考えると何かあった場合……最悪のケースが考えられる。
「敵側である自分が言うのも何なんっすけど、他の局員と比べるとなかなかに落ち着いてるじゃないっすか。伊達にこれまであたしらの邪魔はしてきてないっすね」
「何言ってんだ、本当に落ち着いてるのはそこの黒衣の魔導剣士だけだろ」
「やれやれ……相変わらずノーヴェは黒衣の魔導剣士に対して過敏っすね。熱くなり過ぎて作業内容忘れないでくださいっすよ」
俺に対する苛立ちの強さからスカリエッティから何かしら吹き込まれているのかとも思ったが、もうひとりの少女からは苛立ちは全く感じない。
現状で俺に対して強い感情を抱いている戦闘機人はノーヴェと呼ばれる赤髪の少女だけ。スカリエッティが意図的に彼
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