第四幕その六
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「ボタンを探そう」
「そうだね、ただ」
「ただ?」
「またオズマ姫が起きられてないし」
それにというのです。
「恵梨香達もまだだから」
「ああ、それじゃあね」
「皆が起きてからね」
その時からというのです。
「探そう」
「そうだね、それがいいね」
神宝はカルロスのその提案に頷きました。
「僕達だけで探すよりも」
「皆で探した方が見付かりやすいよ」
ジョージもカルロスの提案に同意です。
「じゃあ女の子達が起きてから皆で探そう」
「王様達も来てくれたら」
こう言ったのはガラスの猫です。
「余計にいいわね、けれどね」
「けれど?」
「あの王様はお寝坊さんよ」
ガラスの猫はカルロスに王様のこのことを言いました。
「だからね」
「中々起きないんだね」
「夜早く寝て朝遅く起きる人なのよ」
「早寝遅起きなんだ」
「寝ることも楽しむ人だから」
それでというのです。
「もうじっくりと寝てね」
「早寝遅起きなんだね」
「中々起きないわよ」
「何かあの人らしいね」
お話を聞いて本当にそう思ったカルロスでした、神宝とジョージもです。王様が早寝遅起きな人であると聞いてです。
「それは」
「そうでしょ、そして王子はね」
「早寝早起きなんだね」
「今はお風呂かしら」
「お風呂に入ってなんだ」
「あの人は一日をはじめるから」
「そういえばそんなこと言ってたね」
カルロスはガラスの猫の言葉から昨日のやり取りを思い出しました。
「王子は朝にお風呂に入るんだね」
「そう、だからね」
それでというのです。
「今はそうしてるかも知れないわ」
「そうなんだね」
「貴方達も入ったら?」
「それはボタンを探して朝御飯を食べた後だね」
その時にというのです。
「見付けられないかも知れないけれど」
「見付けて心配を取り除いた後で楽しく食べて」
つぎはぎ娘が言います。
「それからね」
「そう思ってるからね、それにこの宮殿は王様の宮殿だから」
「王様の許しを得てなのね」
「それからね」
「お風呂ね」
「やることをやって」
そしてというのです。
「それからだよ」
「わかったわ、じゃあまずは」
「まずは?」
「そろそろオズマ達が起きてくる時間よ」
「あっ、そうなんだ」
「だからオズマが来たら」
その時にというのです。
「オズマにもお話してね」
「探すのにだね」
「協力してもらいましょう」
「それとだね」
今度は神宝が言ってきました。
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