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オズのボタン=ブライト
第四幕その二

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「すっきりするのじゃ」
「ここのお風呂も」
「そうじゃ、お風呂もよいのう」 
 遊び好きの王様の言葉です。
「大好きな遊びの一つじゃ」
「お風呂に入ることも遊びですね」
「身体を奇麗にして心もすっきりする」
「そうなる遊びですか」
「そうじゃ」
「遊びは色々ですね」
「その通りじゃ、では遊ぼうぞ」
 こうしてお風呂に入ってです。
「是非な」
「それじゃあ」
「わしは一日二回も三回も入ることがある」
 お風呂に入って遊ぶことをというのです。
「毎日一回は絶対にじゃ」
「王様は本当に遊び好きですね」
「遊ぶことが生きがいでな」
 そしてというのです。
「入浴もじゃ、では今日もな」
「入浴で遊んで」
「心ゆくまで楽しもう」
 こう言ってでした、実際にです。
 王様はカルロス達と一緒に入浴も楽しみました、それはボタンも同じですが。
 ボタンは湯舟の中でうとうととしています、カルロスはその彼に声をかけました。
「寝たら駄目だよ」
「あっ、僕寝てた?」
「寝かけてたよ」
「そうだったんだ」
「お風呂の中って気持ちよくなるからね」
「うん、今は寝るつもりはなかったけれど」
 それでもというのです。
「気持ちよくて」
「それでだね」
「うん、言われるまでね」
「うとうとしてたんだ」
「お風呂の中で寝たら」
「そのまま沈んでね」
 お湯のその中にです。
「お湯を飲んでしまうよ」
「お口やお鼻から」
「そうしたらびっくりしたり下手したら溺れるから」
「よくないんだね」
「そう、だからね」
「お風呂の中ではだね」
「寝ない方がいいんだ」
 こうボタンに言うのでした。
「あまりね」
「それじゃあね」
「そう、今はね」
「起きてだね」
「ベッドの中で寝よう」
「そうするよ」
 ボタンはカルロスの言葉に頷いてでした、今はです。
 ちゃんと起きて身体をじっくりと温めました、そしてです。
 皆じっくりと温まってからお風呂を出ました、お風呂から出た王様はすっきりとした笑顔でお部屋にいた王子に言いました。
「王子もどうじゃ」
「僕は朝に入りましたから」
「だからか」
「はい、ですから夜はいいです」
「王子はいつも朝に入るのう」
「朝にお風呂に入って」
 そしてというのです。
「すっきりさせてです」
「一日をはじめるのじゃな」
「そうすることにしていますから」
 だからというのです。
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