5部分:第五章
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うなったんだよ」
「全然違うじゃないか」
「全く。急に変わったな」
「幸せになったな」
「ああ、もう形なんてどうでもよくなってな」
それでだとだ。笑顔で話す彼だった。
「いや、余計に美味く感じるな」
「一体何があったんだよ」
「どうしてそうなったんだろうな」
「まあいいことがあってな」
それが何かはもう言わない彼だった。それでだ。
その幸せの中でだ。こんなことも言った。
「じゃあ今度のお菓子も楽しみにしておいてな」
「何かもうどうだか」
「お通夜の後はハネムーンか」
「バレンタインじゃないだろ、それは」
「どういうことなんだよ」
友人達は呆れていた。しかしだ。
彼等もそれでいてそんな宇大を見て自然に笑顔になった。彼の幸せを見てだ。
暫くしてだ。紗江はまた宇大にお菓子を作ってきた。それはウルトラマンの怪獣ベムスターのケーキだった。顔や色まで忠実に再現されていた。彼のウルトラマン好きから作ったものだ。
これまではどん引きした彼だが今はだった。そのベムスターのケーキを食べて言うのだった。
「美味いよ、とても」
「そう、じゃあまたね」
作るとだ。紗江も応えてだった。
そのうえで笑顔でいる二人だった。バレンタインの恐怖は一年通しての幸福に変わっていた。
バレンタイン爆弾 完
2012・1・5
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