暁 〜小説投稿サイト〜
IS〜夢を追い求める者〜
第2章:異分子の排除
第28話「金銀転校生」
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なにも。」

  秋十君が何か言った気がするけど、まあいいや。







     ―――スパァアン!!

「遅刻だ馬鹿者。」

「す、すいません...。」

  案の定、織斑は遅れた。

「...本日から実習を開始する。」

  千冬がそう言うと、全員が少し緊張した面持ちで返事をする。
  ...まぁ、“実習”だからな。

「まずは戦闘を実演してもらう。鳳、オルコット。」

「「はいっ!」」

「専用機持ちなら、すぐに始められるだろう。前に出ろ!」

  千冬に呼ばれた二人は、まるで見世物みたいに思えるらしく、乗り気ではなさそうだ。

「まったくお前ら...少しはやる気を出せ。」

  それに千冬は呆れながらも、何かを囁く。
  ...おい、絶対碌でもない事吹き込んだだろ。二人共いきなりやる気になったぞ。

「現金な奴らめ...。慌てるな、お前らの相手は...。」

  千冬がそこまで言った瞬間、上から叫び声がする。
  ...あー、そういえば山田先生、ここにいなかったな。

「というか、先生が墜落するのってありか?」

  そう呟きつつ、他の皆を護るためにもISを展開して受け止める。
  ...躱す・いなすだけなら生身でもできるんだがな...。

「あ、ありがとうございます...。」

「...ふと思うんですが、本当に元日本代表候補生ですよね?」

「....はい...。」

  千冬から齧った程度にしか聞いていないが、どうやら山田先生は慣れない事をしようとすると、テンパってとんでもないミスをやらかしてしまうそうだ。
  織斑の入学試験の際は壁に突っ込んで自滅していたらしいし。

「...まぁ、次は慣れた事でしょうから、しっかりしてください。」

「...すみません...。」

  ...先生が生徒に謝るって...いや、俺のが年上だけどさ。

「...先生、もしかして...。」

「ああ。お前らの相手は山田先生だ。...安心しろ。今のお前らなら負ける。」

  そう言った千冬に、さすがの二人もカチンと来たらしい。
  ISを展開していつでも戦えるようにする。

「では、行きますよ!」

  山田先生がそう言って、戦闘が始まる。

「ついでだ。デュノア、山田先生の機体について説明しろ。」

「あ、はい!」

  千冬がそう言い、デュノアが説明する。
  さすがに自分の国が開発した機体なだけあってか、詳しい上に分かりやすかった。

  ...と、そうこうしている内に、鈴とセシリアが落ちてきた。
  やはり負けたらしい。

「(まぁ、面白いぐらいに誘導させられてたからなぁ...。)」

  
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