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魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Eipic5先駆者と悩める少女〜Dragon Tamer〜
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ルシリオンの手を取って少女の座る奥の席へと向かって来た。アルテルミナスもまた「じゃあ私も」2人に続いて少女の近くへとやって来た。
「こんにちは。隣の席、良いかな?」
ルシリオンが少女へ向けて声を掛けると、「え、あの・・・」少女は返答を言い淀んだ。すると「こんな可愛い小さな子を怯えさせるなんてサイテー」アルテルミナスがルシリオンの肩を引っ掴んで少女の前から退かした。
「ルミナ、君もいよいよ俺に対する言動がシャルっぽくなってきたな。可哀想に。彼女の馬鹿っぽさに感染してしまって・・・。気をしっかり持って、強く生きるんだぞ?」
「やめて、そんな憐れむような目で見るの。君は前の席でアイリと一緒に座って。彼女の隣は私が座るから。それはいいかな? あ、ダメだったら断って良いから」
改めて隣の席に座って良いかを少女に訊ねたアルテルミナス。少女が小さな声で「はい。どうぞ」頷くと、「ありがとう」アルテルミナスは少女の隣の席に座り、そしてルシリオンとアイリは1つ前の席に着いた。
「私は本局・特別技能捜査課のアルテルミナス・マルスヴァローグ二等空尉。よろしく。そして前に座っているのが、内務調査部と特別技能捜査部を兼任してるルシリオン・セインテスト一等空尉。で、同じ特別技能捜査課のアイリ・セインテスト一等空士」
「よろしくな」
「よろしくね〜♪」
「あの・・・あたしは・・・」
少女は少し戸惑いつつも、自己紹介を受けたことで懸命に自分も名乗り返そうと頑張る。これまで大人ばかりの世界で、飛竜フリードのみと頑張ってきた少女。直接声に出して言われずとも自分は厄介者だとされてきた数ヵ月。部隊に転属した当初は仲間として受け入れられてはいたが、フリードの暴走が原因で少しずつ少女の周りから人は居なくなり、幾度と孤立し続けていた。
「あたしは・・・」
自己紹介をしようとするとその光景がフラッシュバックし、少女の口を自然と閉ざしてしまう。どれだけ仲良くなろうとしても、最終的には離れて行ってしまう。目の前に居るルシリオン達もまた、自分の周りから居なくなってしまうのではないかと恐れてしまうのだ。
「キュクルー」
再び萎縮し始めていた少女にフリードが一鳴きした。少女はその使役の才からフリードを始めとした鳥獣系の動物とある程度だが意志の疎通が出来る。それ故にフリードが鳴いた意味を少女は察した。大丈夫、と。少女はグッと腹に力を入れ、急かすこともせずに優しい表情で彼女の言葉を待つルシリオン達をしっかりと見た。
「あたし・・・は、キャロ・・・、キャロ・ル・ルシエ、です・・・! よ、よろしく・・・お願い、します・・・!」
そしてたどたどしいながらも少女――キャロは自己紹介をやりきった。キャロからの精一杯な挨拶に「よろしく♪」
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