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Eipic5先駆者と悩める少女〜Dragon Tamer〜
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とある少女について話そう。生まれは第6管理世界ユージラスはアルザス地方。その地方の少数民族である“ル・ルシエ”の出である。彼女は僅か6歳という幼さながらも、白銀の竜を使役、黒き火竜の加護を受ける、という強大な才に恵まれていた。しかしそれゆえに、少女は部族から追放という処分を受けることとなってしまった。その理由としては・・・

――強過ぎる力は災いと争いしか呼ばぬ――

というものだ。少女の才は恐れられ、また疎まれ、結果部族の平穏のためにという名目の下、6歳という少女を里から追放し当てのない独り旅に出したのだ。少女は幼く小さな飛竜を連れとして里を出、アルザス地方の過酷な環境の中をひたすら歩き続けた。1ヵ月ほどのち、隣のオーラン地方に到着したところで時空管理局の施設に保護され、その後本局の保護施設へと移された。
そして、竜使役というあまりにも珍しく強力なスキルを持つ少女を、管理局は局員として招き入れることを決定。アルザスの竜は次元世界でも有名で、その圧倒的な火力を次元世界の秩序安定に使いたかったのだ。しかしそこには誤算があった。

――竜召喚は確かに凄まじい威力を誇る。だが少女は碌に制御が出来ない――

――召喚された竜は少女に降りかかる危機を振り払うために半ば暴走状態で、手がつけられない――

――まともな部隊に所属させるにはあまりにも危険。戦場に単独で突撃させての殲滅戦を行わせるしか有用な利用方法はない――

管理局が下した判断がそれだった。しかし当たり前過ぎた話だ。少女はまだ6歳。教育も訓練も碌に受けていないのだ。才能だけで全てが上手く行くわけもない。こればかりは少女の責任ではなく、少女の竜召喚について調査をちゃんとしなかった管理局側の怠慢が、その全てだ。
管理局はそんな少女と竜の力を持て余した。少女は厄介者として追い払われるかのように各部隊を転々と異動させられる。当然少女の顔から明るい表情は失われていった。次第に少女は心すら閉じ始め、こう考えるようになってしまっていた。

――あたしの前にはいつも、あたしが居ちゃいけない場所しかなくて、あたしがしちゃいけない事があるだけ――

自分の居場所はどこに行っても無く、頼れる人も側に居らず、孤独のままに少女の時は流れた。そして今、少女はとある場所へ向かって小さな飛竜1匹を伴い本局内の廊下を歩いていた。少女に言い渡された新たな臨時の所属先は特務三課。
特務とは、臨時任務の為に編成される部隊に付けられるもので、正式には特務機動隊となる。任務内容は様々だが特に多いのは、脅威対策室からの指令で編成される大規模テロや小規模戦乱の鎮圧など、正しく戦場に立つ戦闘特化任務だ。

「特務隊・・・」

少女がポツリと漏らす。特務機動隊は任務内容に関わらずメンバーにはエリートが選抜される。
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