第10話 いざこざと新しい艦娘
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かれている状況を聞いてもマイペースさを崩さない北上。良いように捉えれば、余裕を崩さず頼もしいと言えるだろう。逆に悪く捉えれば、北上は現状を他人事のように感じているのだろうか。
そんなことを考えながら、もう一つの解決しなければならない問題について話す。
「もう一つ、懸念がある」
「うん?」
「北上。君は、通常の建造、開発資源を使った建造ではなくて、遠征で手に入れてきた未知の果物を使って建造されたんだ。通常の建造とは違う方法で生み出された君に、何か不具合が起きていないかが心配だ」
「なるほどねぇ。……今のところは、大丈夫みたいだよ」
北上は自分の身体のあちこちに手を当てて簡単に調べてみた後、大丈夫だし問題ないと言ってのけた。確かに、見た感じからも不自然な所は見当たらない。天龍や妙高、加賀や長門が建造された時と同じように変わりがなく、本当に問題は無さそうな様子だった。
ただ、やっぱり何か見逃しているかもしれないと心配が消えなかったので、建造を担当してくれた妖精さんと、秘書官を務めてくれている加賀に手伝ってもらって、2時間使って出来る限り北上の精密検査をしてみた。
北上さんは心配し過ぎだよと言っていたけれど、念には念を入れて、そして今後のためにも問題は出来る限り見逃しておきたくなかったから、彼女の検査を強行した。
結果的には、北上さんには問題が一切無かったようで安心することが出来た。そして、通常の建造と違いなく、未知の果物を使った建造も可能であることが分かった。
「北上、今のところは大丈夫そうだけれど、何か違和感が出てきたり体調が悪くなったと感じたら、すぐに報告してくれ」
「まぁ、わかったよ提督。むしろ、なんだか身体の調子が良いみたいだし、心配しなくて大丈夫だって。記憶と違って、なんだか結構やる気が漲ってる、って感じがするよ」
北上の声にあまり覇気を感じないけれど、本人曰くいつもよりもテンションが上がっているらしい。
こうして、神威鎮守府に6人目の艦娘を迎えることが出来た。そして、偵察任務から戻ってきた妙高達から周辺の島に関する情報の報告を受けて、今後の新たな目標が定められる事となった。
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