第10話 いざこざと新しい艦娘
[3/4]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
た顔をして天龍を見つめた。
「ああああっ!」
天龍が、妙高と吹雪にどういった理由でこうなったのかを説明しようとした時、出入り口から一番近くで飲んでいた天龍に向かって奇声を上げながら奇襲を仕掛けようと男が飛び出してきた。
天龍は直ぐに飛び出してきた男に対応した。そして、酒場の出入り口に気絶してしまっている人間が2人に増えた。
「今度は、その腕、切り落としてやるぞ」
「なッ! 山賊である俺達に逆らう気かァ!?」
山賊のリーダーであった男は、天龍のあまりの早業に愕然とした後、すぐに腰に下げていたサーベルを抜き放って凶暴性を見せつけて天龍を怯ませようと、威嚇するように抜いたサーベルを天龍に向けた。
「フフフ、弱い犬ほどよく吠える。テメェはオレが怖いのか?」
だが、天龍は刃を向けられても余裕の笑みを浮かべていて、怖がる様子は一切無い。
「ッッ! 野郎ども、一斉に掛かれッ!」
まだ天龍を戦い慣れした少し強いだけの女性だと侮っていた山賊のリーダーは、残り全員で力を合わせて一気に仕掛ければ、少し強くても勝てるだろうと楽観視していた。
だが、艦娘である天龍に山賊全員がまとめて掛かってきても、万に一つも勝ち目が無いほど力の差が有った。
それは当然の事だったのかもしれない。山賊たちは、海に出る勇気も能力も無くて、島の中で山賊になり小さな範囲でしか力を示してこなかった。一方、歴戦をくぐり抜けてきた記憶を持ち、人間とは隔絶した圧倒的な能力を持つ艦娘達に敵うハズがなかった。
そして、3分も経たないうちに、酒場に居た人たち全員が返り討ちにされて気絶することになった。
***
「アタシは軽巡、北上。まー、よろしく」
妖精さんの発案で、開発資材を使わず遠征によって手に入れてきた未知の果物を使った建造方法で生まれてきた新しい艦娘。建造されて最初の挨拶なのに気だるげな口調、球磨型3番艦である北上だった。
彼女は声にやる気が無く、ダルそうな様子からは戦闘には向いて無さそうな印象を受けるけれど、その印象とは裏腹に、練度を上がれば重雷装巡洋艦というとても強力な艦娘に改装できる、という特徴を持った艦娘だというような記憶が有った。
「この神威鎮守府で提督を務めている平賀だ。よろしく頼む、北上さん」
「提督は真面目だねぇ。アタシの事は呼び捨てでいいよ」
北上は表情をにへらっと和やかな笑顔にしながら、親しみやすい雰囲気を醸し出して呼び捨てで名前を呼ぶようにとの許可をくれた。
新しく建造された北上にも、神威鎮守府の現状について詳しく説明し情報共有を行った。
「なるほどねぇ。なんだか、とっても面倒な事になってるみたいで大変だねぇ」
神威鎮守府の現状や、俺達の置
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ