機動戦艦ナデシコ
1363話
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連に対して行った行動について謝罪した方がいいと思っています。ですが、連合軍の将校としては上に命じられた行動……この場合はシャドウミラーと木連の会談を見届けるだけですな」
「……ほう。悪の地球人としては、随分と謙虚ですな」
「はっはっは。悪だと言われても否定出来ないのは事実ですが、地球全てが貴方達に対して悪意を持っている訳ではありませんよ。いえ、寧ろ地球の殆どの人達は木連について何も知らないのですから。だからこそ、木星蜥蜴と呼んで木連の方を悪の侵略者だと思っている者も多いのです」
ヨシサダがそう告げた瞬間、草壁の後ろに待機していた月臣が我慢出来ないと憤りを露わにして叫ぶ。
「何だと貴様ぁっ!」
「月臣、控えろ」
即座に草壁が鋭く叫び、それを聞いた月臣はすぐに我に返る。
「申し訳ありません、草壁中将」
「お前の気持ちも分かるが、今は悪の地球人ではなく、シャドウミラーとの会談の場だ。……申し訳ない。この月臣という男は使命感や正義感が非常に強い男でね。それだけに、連合軍が我々木連に対して行った事には強い憤りを覚えている。何しろ、使者を殺され……その上で、存在すら抹消されたのだから。もし連合軍の軍人がそのような目に遭えば、連合軍としてはどうするかな?」
「それはまぁ、怒るでしょうな。……ともあれ、何度も言いますが今回の私はあくまでも会談の見届け人ですので」
「……そうか。今はそれでもいい。私も悪の地球人の中に良心的な軍人がいるというのは嬉しい誤算だったよ」
それは、本当に草壁にとっては若干の驚きだったのだろう。しみじみとした呟きを口にした後、草壁は改めて俺の方へと視線を向けてくる。
「さて、アクセル代表。少し話が逸れてしまいましたが……幾つか質問をよろしいですかな?」
「ああ、構わない」
まぁ、向こうが聞いてくるというのは大体分かる。
そう、例えば……
「私達はシャドウミラーという国の存在を今まで全く知りませんでした。勿論地球の情報を全て知っている訳ではない以上、見逃していた可能性もないとは言えません。ですが、貴方達シャドウミラーが乗ってきた戦艦は、正直なところ連合軍の戦艦とは比べものにならない程高性能に見えます。そして何より我々と全く違う次元跳躍という手段を持っているような存在を、幾らなんでも私達が知らないというのは有り得ない。特に100年前にシャドウミラーという国があれば、少なからず私達に伝わっていても構わない筈」
やっぱりな。
まぁ、幾ら何でも木連にとってシャドウミラーという存在は規格外に過ぎたのだろう。
そんな国があったのであれば、当然草壁が言ったように100年前に名前くらい知っていてもよかったのではないかと。
……100年もあれば、普通に新しい国とか組織とかが出
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