機動戦艦ナデシコ
1363話
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と階級に差があるように感じてしまうのはなんでだろうな。
差し出してきた草壁の手に握り返しながら口を開く。
「シャドウミラー代表、アクセル・アルマーだ」
俺の口から出た言葉は予想外だったのか、草壁の顔が驚愕に歪みそうになり……それを意思の力で押し潰す。
どうやら俺がシャドウミラーの代表だというのは知られてなかったらしい。
軍港に降りてからその事を口にしたのだと考えれば、仕方がないのかもしれないが。
バッタとかを使った通信方法とかがあれば、それでも知っていてもおかしくはないと思ったんだけどな。
「シャドウミラーの代表、ですか。まさか1つの国の代表がこうして未知の勢力と接するのに直接乗り込んでくるとは……随分と剛胆ですな」
「まあな。これがシャドウミラー流のやり方だからな」
そう告げた瞬間、一瞬だけエザリアが俺の方へと視線を向けてくる。
勝手にシャドウミラーの流儀を決めないでと言いたげだが、実際システムXNで未知の世界に行く時は俺が行くんだから、その辺は決して間違ってはいないだろう。
「ですが、危険では? 私達木連はそんな真似をしませんが、中にはこれ幸いとアクセル代表を捕らえて、自分達に従わせるような存在もいるのでは? ……それとも、ここに悪の地球人がいるという事は、そういう事なのですかな?」
ここでも出たのか、悪の地球人。
木連の祖先がかつて受けた仕打ちを思えば、そう言いたくなるのも分からないではないが……
と、ふと顔を上げて周囲を見回した俺が見たのは、何かのアニメのキャラクターが入った額縁。
うん? これ、何かで見覚えがあるな。
そう考えて記憶を辿り……やがてそれが何だったのかを思い出す。
確かこれって、ヤマダやテンカワが好きだったゲキガンガーとかいうアニメに出てくるキャラじゃなかったか?
何だってこんな場所にアニメのキャラが飾られてるんだ?
一瞬不思議に思ったが、そう言えばゲキガンガーは木連で特別なものだと言っていたのを思い出し、それを口にするよりも先にヨシサダが口を開く。
「ムネタケ・ヨシサダ少将と申します。今回はシャドウミラーと木連の会談の見届け人として派遣されてきました」
「……そうか。君が連合軍の……」
そう呟く草壁の瞳に浮かんだのは、非常に複雑な色。
憎しみの類もあれば、どこか哀れみの色もあり、それが混じったような色。
……哀れみ? 何でだ?
一瞬疑問に思ったが、今はそれを聞く時ではないだろう。
「今、見届け人と言っていたが、連合軍としては私達木連に対してどのような立場で望むのかを聞いてもよいかな?」
既に草壁の目の中から複雑な感情の色は消え、木連の中将としての立場からヨシサダへと尋ねる。
「私個人としては、木
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