第5話
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」
「元は、エプスタイン財団とツァイス中央工房(ZCF)が共同してスタートさせたプロジェクトです。今では、主に財団によって進められていますが………その大規模な試験運用が現在、このクロスベル市で進められているんです。まあ、これもその一環ですね。」
「よ、よくわからないけど………結局のところ、どういう事をする計画なんだ?」
「ふう…………」
ロイドの疑問を聞いたティオは溜息を吐いた後ロイドに振り向いて答えた。
「要するに、旧来の通信器を発展させた技術ということです。単に会話のやり取りをするだけでなく演算能力を持った端末同士を結んで効率的な情報ネットワークを構築する。わかりやすく言うとそんな所です。」
「全然わかりやすくないんだが………えっと、要するに警察内部の連絡や指揮系統を効率化する装置ってところか?」
「………まあ、この端末については間違いではないです。わたしの専門ではありませんが端末の操作くらいはできますし。今後のことを考えると一応、チェックしておこうかと。」
「そ、そうか………その様子だと、ティオは配属を辞退するなんて考えてもいないみたいだな?」
ティオの説明を聞いたロイドは頷いた後考え込み、尋ねた。
「え…………」
「いや、そもそも………俺がティオくらいの歳はまだ遊びたい盛りだったよな。財団から出向したって話だけど、その、無理やり働かされてるとかそういうわけじゃないんだよな?」
「…………………」
ロイドの疑問を聞いたティオは呆けて黙り込み
「え………!?まさか、本当にそうなのか!?どんな事情があってもそんなの我慢したら駄目だぞ!?その、俺でよかったらいくらでも力を貸すから――――」
ティオの様子を見たロイドは驚いた後真剣な表情になって話し始めたが
「あの、落ち着いてください。………別に強制されて働いているんじゃありません。それどころか………今回の出向は、むしろわたしが我侭を言わせてもらった結果です。」
「え………」
ティオが制して説明し始めた。
「わたしはわたしでここに居る理由がある………つまりそういうことです。ロイドさんは人の心配をする前に自分の心配をするべきでは………?」
「あ、ああ………はは、そうだな。ティオの言う通りだった。ごめんな。差し出がましいことを言って。」
「いえ………ただ、あんまりお人好しなのは捜査官としてどうかと。遊撃士と違って、人を疑うこともしなくてはいけない仕事ですよね?」
「うぐっ………痛いところを突いてくるなぁ。うーん、やっぱり俺ってまだまだ甘ちゃんなのかな………警察学校の訓練やルファ姉の教えで徹底的に自分を鍛えたつもりだったけど………でも、確かにそれだけじゃ捜査官は務まらないだろうし………」
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