第4話
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ネ姫もその事を考えてか、公にしないように市長に掛け合ったお蔭で表沙汰にはならなく済み、当時の件に関わっていた連中の御咎めもなしになった。ま、そのお蔭で罪に問わられなくて済んだ連中が今でもまともに働けているって訳よ。」
「………プリネ姫の慈悲に感謝としか言いようがないですね………」
「…………………………」
(まさかここであの人達の話が出るなんて予想外ですね………)
説明を聞き終えたロイドは疲れた表情で溜息を吐き、エリィは複雑そうな表情で黙り込み、ティオは静かな様子でプリネ達の事を思い出していた。
「いや〜、後で知った時、驚いたぜ。まさかメンフィルのお姫さんと刃を交えたなんてな。」
「え”。」
「ま、まさかランディ。あなた………」
そして陽気な様子で呟いたランディの言葉を聞いたロイドは表情を引き攣らせ、エリィは驚きの表情でランディを見つめ
「おう。俺も戦ったぜ。それも護衛や遊撃士じゃなく、メンフィルのお姫さん自身とな。………ま、結果は手を抜かれた状態で、完膚なきまで実力差を思い知らされてやられちまったけどな。ハハ………」
見つめられたランディは呑気に答えた後苦笑し
「……………………」
「笑いごとじゃないでしょう………プリネ姫が寛容でなかったら、あなた確実にプリネ姫を襲った事でメンフィル帝国に重い罪に問われていたわよ………?」
(まあ、当然の結果でしょうね………)
ロイドは絶句し、エリィは疲れた表情で溜息を吐き、ティオはプリネの強さを思い出し、納得していた。
「ま、そんな最大の汚点を残しちまって、警察も人気取りに必死な訳という訳だ。………だが、警察の基本理念は治安維持と自治州法の選守……市民へのサービスっていのは本来、二の次ではあるわけだ。だからこそ、警察内部ではそうした人気取りを快く思わない声も多くてな。『便利屋』だとの『ニセ遊撃士』だの『猿回しの猿』だの………まあ、早くも散々な陰口を叩かれてるってわけだ。」
「……………………」
「なるほど………色々と合点がいきました。」
「やれやれ、そんな部署で俺達を働かせようってか?」
「………正直、想定外でした。」
セルゲイの説明を聞いたロイドは口をパクパクさせ、エリィは疲れた表情で頷き、ランディは目を細め、ティオはジト目で言った。
「まあまあ、そう急くな。――――聞いているかもしれんが配属を辞退することは可能だ。」
「あ………」
「正式に配属された場合、やってもらう仕事は様々だ。今日みたいな、魔獣退治の仕事なんかも入ってくるし………落し物探しや、本部の手伝いなど細かい雑用も入ってくるだろう。―――その気がない人間に勤まるとはとても思えんからな。」
「「「「…………
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