最悪の覚醒
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ミューニさんの服を引っ張りながらそう言うと、彼はそっと俺の頭に手を置き、撫でてくる。
「俺も大丈夫だと思いてぇ。ただ、奴の言葉がウソを言っているようには聞こえねぇ」
「もしかしたら・・・その時は覚悟はしとけよ」
優しい声で、諭すようにそう言った二人の青年。彼らも信じられないような顔をしているが、もしかしたらといったような顔にも見える。
「ウソだぁぁぁぁぁぁぁ!!」
絶対に信じたくない彼らの言葉に、俺は耳を塞いで絶叫し、その場に崩れ落ちた。
第三者side
耳を塞ぎ、泣き叫ぶ水色の髪をした少年は、二人の青年の前に膝をついている。それを見ている緑の髪をした悪魔は、込み上げる笑いを懸命に押さえていた。
(折れたな、こいつの心)
大切なもの・・・それも生まれた時からずっと一緒で、互いに愛し合った恋人同士・・・それほどのものを失ったとなれば、誰だって心が折れてしまうものである。
(フェイスを破壊されたのは誤算だったが、これはこれでいいか)
ノーランの見解通り、確かにウェンディとシャルルはフェイスを破壊できず、自律崩壊魔法陣を起動させた。その際彼女たちは、シリルやセシリーといった仲間たちにすべてを託し、死を覚悟していた。だが、実は間一髪のところでドランバルトが瞬間移動で彼女たちを救出し、なんとか生還していたのだ。
ただ、その事をこの場にいるものたちが知る術などない。
「ウソだ・・・ウェンディとシャルルが・・・」
「そんなのイヤだよ〜・・・」
ウェンディたちが死んだものだと思っているシリルとセシリーは、目をこすりあふれでる涙を拭う。そんな彼らをラクサスとカミューニはそっと抱き締め、落ち着かせようとしていた。
(もうこいつは無理だな、使い物にならんだろう)
とてもとても戦えるような状況ではない少年を見下すようにしているノーラン。その様子を、二人を抱き締める男たちは鋭い目付きで睨んでいた。
「なんだ?その目は」
四人を見下ろしながらそう言うノーランに、カミューニはセシリーをラクサスに預けると、壁に手をつきながら彼の方へと向き合う。
「勘違いするなよ、俺たちはその子たちを殺してないぜ?奴等が勝手に命を捨てた。それだけのことだろう?」
「てめぇ・・・」
ノーランの言い分に怒りを覚えたカミューニは、右手を前に出すと彼の方へと手のひらを向ける。そこに強い怒りを込めた魔力を溜めると、一気に放出した。
ドガアアアアア
凄まじい勢いで打ち放たれた一撃。しかしそれは、ノーランを直撃することなく、彼の真横を通りすぎていった。
「外れてんぞ、カミューニさん」
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