最悪の覚醒
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シリルside
「さぁ、フェイス発動の時間だ。これでお前たちの力は失われた」
指を鳴らし、絶望の宣言をするノーラン。その声に思わずこの場にいる魔導士たちが表情を歪める。しかし、一番後ろにいる茶色の猫が、あることに気付いた。
「あれ〜?僕まだ飛べるよ〜?」
翼を出して宙に浮いていたセシリー。しかし、彼女はまだその翼を出したまま飛んでいるのであった。
「マジだ」
「本当だ、まだ魔法使えんぞ」
セシリーの言葉を受けてラクサスさんとカミューニさんが手に魔力を込めていると、確かに二人の手にそれぞれの魔力が溜まっている。俺も一緒に右手を見てみると、水がそれをすぐに覆い隠した。
「ウェンディとシャルルがやってくれたんだ!!」
「すごいよ二人とも〜!!」
魔導パルス爆弾フェイス、それをウェンディとシャルルが止めてくれたとわかった瞬間、セシリーと手を取り小さく踊る。その様子をラクサスさんと見えてないはずのカミューニさんがニヤニヤと見ていたので、慌てて手を引っ込める。
「今何してたか教えろよ」
「OK」
「「やめてください!!」」
やっぱりカミューニさんは見えていなかったらしく、ラクサスさんにわざわざ後で教えるように言っていた。ラクサスさんとか言うと間違いなく話を盛るだろうから、絶対しゃべらせちゃダメだ。
「ウソだろ・・・フェイス計画が失敗したというのか?」
歓喜している俺たちとは正反対に、口に手を当て歯痒そうな顔をしているノーラン。彼はまさかフェイスが破壊されるとは思ってなかったらしく、明らかに動揺しているのが見てとれる。
「見たか!!これでお前たちの企みも終わりだ!!」
胸を張って得意気にノーランを指さす。後ろからお前が威張るなって言われているけど、別にいいじゃん。だって嬉しいんだから。
「誰がフェイスを止めたか・・・わかるか?」
すると、突然顔をうつ向かせながらノーランが妙な質問をしてくる。
「ウェンディだけど?」
「シャルルも一緒だよ〜」
そこまで応えた後、あることに考え付いた。まさかこいつ・・・ウェンディたちに仕返しでもしようと考えてるのか?こいつの今までの行動からすると、十分ありえるぞ!?
「ウェンディたちには手を出させないぞ!!」
「そうだそうだ〜!!」
「お前ら・・・一回落ち着け」
「ウェンディに仕返しするってことは、その前に俺らやられることになんぞ」
バッと手を広げて通せんぼのようなことをしている俺とセシリーを見て、ラクサスさんとカミューニさんは頭を抱えていた。そっか、こいつを倒せばすべて解決するのか。すっかり忘れてたよ。
「そうか・・・あの二人が・・・」
空を見上げ、しばらく固まっているノーラン。彼は
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