レベル5 奇妙な累加をした悪魔
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たのだ。そもそも決闘しなければ負けることは無い。
そう安堵していた樢がふと研の方を見ると、研の左手の周りに灰色の靄が漂っていた。
「え?」
照明が暗いだとか、埃が照らされているとか、そんなよくあることでは片付かない程それは異様だった。
「決闘出来ないのなら、即座に強行手段に移させてもらう」
(もしかして、逆効果だった?)
研はゆっくりと左拳を引いた。その左手に灰色の靄が、まるで動物の足か何かを形作るように集まる。
(え、待ってちょとこれなんか来るのグーと届かない避け、避けるてもそれじゃまた、また殴るの?ずっと殴るの?)
樢は明らかに腕1本以上ある間合いからでもパニックになっていた。
「シュ!」
研が拳を突き出すと、灰色の靄は明らかに目的を持たされて飛び出してきた。
「ひぃやっ!」
樢は思わず持っていた物で顔を庇った。
……
それから、何も起こらなかった。起こらなかったのだ。
「……え?」
ゆっくりとかばんを降ろすと、目の前には、
「間に合いました」
デッキを構えた夢値がいた。
「夢値!」
樢は思わず叫んだ。
「大丈夫ですか?」
夢値は振り返って樢と顔を合わすと、にっこりと微笑んだ。
「う、うん!」
「こっそりつけていた甲斐がありました」
「……」
樢の表情が固まった。
「大丈夫ですよ、いざという時には、樢さんがぼくと縁の薄い一介のストーカーの被害者になるように、スーパー不審者変身コスチュームを用意しておきましたから。これで樢さんがサンサーヴを持っていると勘ぐられる危険性を減らせます。更に究極の手段として、樢さんが樢さんと見せかけて樢さんじゃなくなるように偽樢さんの等身大ポスター等もありましてそれから……」
「………………助かったことには、感謝しなきゃね。ありがとう」
「どういたしまして」
夢値は晴れやかな表情をしている。
「……そうか」
地下鉄のホームに、驚く程落ち着いた声が渡っていく。
「次は、君と戦うのか」
「はい」
夢値は振り返って、研と対峙した。
「「決闘!!」」
「後攻を頂きます」
「そうか。ならば先攻をもらう。俺は《終末の騎士》を召喚」
終末の騎士 攻1400
「召喚に成功したので、効果発動。デッキから闇属性の、《トリック・デーモン》を墓地に送る。そして《トリック・デーモン》の効果発動。効果で墓地に送られたことにより、デッキからデーモンと名の付く、《ナイトメア・デーモンズ》を手札に加える。更に、《おろかな埋葬》を発動。デッキから再び《トリック・デーモン》を墓地に送る。そして再び《トリック・デーモン》の効果を発動。デッキから《戦慄の凶皇−ジェネシス
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