第29話
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……!ううっ………!」
「……………ああもう、子供みたいにわんわん泣いて………エステルはレンの”お姉ちゃん”なんだから、そんな情けない所を見せないでよ……そんなんじゃあ、いつまでたってもレンはエステルを”お姉ちゃん”って呼ばないし、ユウナが情けないエステルの”家族”になる事を嫌がって、ユウナを”家族”にできないかもしれないわよ。」
エステルが涙ぐんで自分の事で安堵していた事を知ると少しの間黙り込み、エステルを泣き止めさせるためにいつもの調子で指摘し
「うぐっ……人がせっかく気遣っているのに、本当にどこまでも小生意気で素直じゃない妹ね……ユウナの事を素直じゃないっていつも言っているけど、あんたの方がユウナより素直じゃないんじゃないの?」
レンに指摘されたエステルは唸り声をあげてレンから離れた後ジト目でレンを睨んだ。
「ふふっ、ロイドお兄さん達には大きな”貸し”を作ってしまったわね。」
そしてレンは苦笑しながらロイド達を見回し
「ハハ……別に俺達は今回の件を”貸し”だなんて思っていないよ。―――仲間が抱えている”壁”を一緒に乗り越えていく事は仲間として当然の事だし、ヨシュアにも言ったように成り行きで君達の”岩”を取り除いたようなものだから、気にしなくていいよ。それよりも仲間として君の力になれてよかったよ。」
「………あ…………」
レンの答えに対して苦笑しながら答えたロイドはレンの頭を優しくなでて微笑み、ロイドに頭をなでられながら微笑まれたレンは目を丸くして呆け、ロイドの”悪い癖”が出た事にエリィ達は冷や汗をかいた。
「ロイド、あなた………」
「最近飛ばし過ぎなのでは?」
「いや、むしろここは普通に考えて攻略は激ムズの小嬢の攻略まで始めたロイドに感心すべきじゃねぇか?」
「うわ〜……これが”天然たらし”ってやつね〜。まさかいつも人をからかいまくって自分の事を”天才美少女”って豪語しているあのレンが今のロイド君の行動に対して何の反応もしないなんて、正直この目で見ても信じられないわ……」
「エステル……君だけは他人の事は言えないよ。」
「ちょっ、何でそこで俺が責められるんだよ!?それとランディ、意味不明だから!」
エリィとティオはジト目でロイドを見つめ、ランディはからかいの表情でロイドを見つめ、エリィ達に見つめられたロイドは慌てた様子で答え、珍しいものを見るかのような目でロイドを見つめるエステルにヨシュアは呆れた表情で指摘した。
「………うふふ、レンはエリィお姉さん達みたいにそう簡単に落ちないわよ♪まあ、もしレンを落とす事ができたら、ロイドお兄さんには世界一の幸せが約束されるから、これからもレンの攻略を頑張る事ね♪」
「ハハ……それともしその時
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