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Three Roses
第三話 幸福と孤独その七

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「修道僧や尼僧ならともかくだ」
「あの方もまた王家の方です」
「尼僧ではないのだ、尼僧として生きないのならだ」
「遊ぶことも必要ですね」
「そうなのだ、遊び楽しみも知る」
「それが先に生きますね」
「そうなるのだがな」
 王は苦い顔のまま述べた。
「あのままではよくない」
「司教に言いますか」
「グレゴリー司教か」
「彼に」
「いや、彼こそはだ」
 その司教についてだ、王はこう言った。
「その遊びを知らぬ者だ」
「修道院で育ってきたが故に」
「徹底した、これ以上はないまでにだ」
「禁欲の中に生きてきて」
「遊びを卑しんでいる」
「だからこそマイラ様にも」
「そんなことを教える筈がない」
「では教育係を変えますか」 
 マイラのそれをとだ、大公は提案した。
「そうされますか」
「いや、それもだ」
「難しいですね」
「司教の名声は確かだ」
「学問も人柄も」
「教養豊かで高潔な人物だ」
「教育係としてはですね」
 大公も言う。
「確かな方であり」
「あれ以上の教師はいない」 
 まさにというのだ。
「あれだけのな」
「だからですね」
「もう一人、穏やかな教育係をつけるか」
「マイラ様に遊びを教えられる」
「そうすべきか」
「では」
「うむ、そのことも考えておこう」
こう大公に答えたのだった。
「そうしていこう」
「それでは」
「うむ、あの司教は見事な教師だが」
「学識が深くあり教え上手ですが」
「旧教の聖職者の中でもだ」
 とりわけというのだ。
「その信仰が強過ぎる」
「信者としては見事でも」
「やはり彼だけではな」
「マイラ様も寄りますので」
「もう一人付けよう」
「ではその人物は」
「オズバルト公か」
 王はこの貴族の名を出した。
「彼は聖職者ではないが」
「公平で視野が広い方です」
「だからな」
「はい、それでは」
「公爵もマイラの教育係としよう」
「それでは」
「マリアにはそなたがいてだ」
 彼女についてはこう言う。
「そしてマリーにもな」
「マリー様には多くの者がいます」
「うむ、ロドネイ公にな」
「それにですね」
「キャスリング卿、デューダー卿がいてだ」
「教育係にグラッドソン大司教もいます」
「マリアの教育係スチュワート公も立派な者だ」
 再びマリアの話をした。
「そしてセーラもいてくれている」
「ですから」
「あの二人については安心しているが」
「マイラ様についてはですね」
「心配になってきた、だからオズバルト公をな」
「もう一人の教育係につけますか」
「そうしよう、将来はあの娘の側近にもなる」
 オズバルト公、彼がというのだ。
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