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Muv-Luv Alternative 士魂の征く道
第四四話 背水の陣
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過程に於いて、忠亮は零式では日本を守れない―――計画の大幅変更を申し出た。」
「―――どういうこと?」
「零式は極地戦闘用の戦術機、要人警護と日本本土での対BETA戦に特化した性能を持っている―――だが、それでは守りに徹するだけにしかならない。攻め手を考えていない兵器では敵には勝てない。」
当時を反復しながら噛みしめるように口にする忠亮、零式武御雷の性能は密集格闘戦にこそ発揮される。
しかし、それはハイヴ内部での突破口を切り開く力があるか、と言われれば否というしかない。
全身のカーボンエッジ装甲や固定兵装は所詮は水際防衛のための装備でしかない、また日本が真にBETAや他国の脅威からの脱却を望むのなら武御雷は非常に使い勝手の悪い兵器だ。
また、戦術機というのは高度な工業製品だ。その性能を維持するにはメンテナンスが必要不可欠―――だというのに、その整備にも四苦八苦するようでは長くは戦えない。
少しでも長く戦うための装備が逆に機体を長く戦えなくさせてしまっている……これを本末転倒と言わずなんという。
「無論、国土防衛を軽視していたわけじゃない。だが、攻撃と防御の両方をこなせる―――あるいはその両方へ派生できる機体が必要だと己は考えた。」
「……それがこの機体いえ設計思想、という事?」
「そうだ、通常戦術機はセミ・モノコック、クレードルフレームと呼ばれる機体構造をしている。人型ではあってもその構造概念は寧ろ蟹や昆虫といった存在に近い。
この構造の利点は内部空間を確保しやすい事にあるが、それゆえにパーツの追加・換装のためには大規模な設計変更が必要となる欠点がある。」
―――しかし、このフレームは違う。
機体各部の独立フレームに、外装を新たに取り付けて機体を構築する。そのため基礎フレームは同一ながら、短期間でまったく性質の違う兵器を開発可能となる。
さらに、各関節部は同一のユニバーサル規格を用いることでフレームの配置変更すら容易とすることが可能であり、その多様性は非常に広いものとなる。
さらに機体の外から掛かる力に対し、内外構造が分離しているため装甲が破壊されることで内部構造体へのダメージを抑える働きがあり、余程深く攻撃を受けない限り機体の稼働には何ら影響を及ぼさないというメリットもある。
「篁中佐も、お前の意見には賛成だった。自分自身がTSF-Xの内部構造を可能な限り流用して零式を開発したのだから、究極の素体となるフレームさえあれば強力な戦術機を短期間で開発可能という結論に到達するのも無理はない話だ。」
「―――じゃあ、なぜそれを行わなかったの?」
斑鳩崇継が説明を引き継ぐ、そして実は忠亮の戦術理念に篁裕唯中佐が賛同していたという事実が明らかにされる。
だが、それ
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