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Muv-Luv Alternative 士魂の征く道
第四四話 背水の陣
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一連の騒動から数日……電磁投射砲や壱型丙の再評価プログラムなどの実務の引継ぎを雨宮と行っていた。
「篁中尉、中尉が出向される間の補充人員が決まったそうですね。」
「ああ、耳が早いな。華山院殿だったな……確か斑鳩少佐と親しいと聞いている。」
「それだけではないのでしょ?赤服の華山院……崇宰の源流に位置する家だと聞いています。それに篁家の譜代武家入りの際には強行に反対したとか確執が無いと良いのですが。」
之からの部隊運用に於いての不安を口にする雨宮。
幕末の結果、公武合体がなった武家と公家。その双方の頂点に立つ五摂家、その下の赤の譜代の家には多く分けて二種類存在する。
嘗ての親藩・上位譜代武家に加え五摂家の一つ格下の家、清華家といわれる家である。
そして第二次世界大戦後、大規模な家格調整が行われた。その中で五摂家から外れた家が存在する。
斯衛家だ。そして入れ替わりに清華家の一つであった斉御司が新たに五摂家として選ばれた。
その最大にして唯一の機会を逃したのが清華家の一つである華山院家なのだ。
「実は私は華山院の人とは面識がないからな……あまり良くわからないんだ。」
「そうなんですか……まぁ、何とかやってみますよ。」
「苦労を掛けるな。」
「これも副官の仕事です。」
微笑みを交わす、そして痛感する。
自分が如何に守られてきたのか、という事を。幼年学校などでは口さがない人たちの言動に心を痛めたこともある。
だが、それでさえ正面からの対峙には至っていない。今だって母や巌谷に恭子といった大切な人たちに守られている。
――――今のままではいけない。
「そういえば、斑鳩大尉の手術……もうすぐですね。大丈夫ですか?」
「………正直言えばすごく心配だ。成功率は6割。はっきり言って博打だ。」
「通常の疑似生体移植じゃだめだったんですか?」
「最初はその予定だったんだが……培養していた右腕が癌化したため移植可能期間を超えてしまった。神経線維が変質してしまって今から移植しても衛士として復帰できる可能性はほぼ無いし、心臓の神経を再生する技術がない。
衛士としての再起を望むのならこの手術を受けるしかないんだ――」
「篁中尉はそれで良いのですか?」
「――――私は、あの人の障害にはなりたくない。だが、それがあの人を利用することになっているのが悔しい。」
俯き唇を噛みしめる唯依。
彼との婚姻は篁家のお家事情に依るところが大きい。そして、彼が早々に死んでしまえば喪に伏しているという言い訳が使えるようになってしまう。
篁の資産と、摂家直系という二つの旨味を求める人間からすれば唯依を娶り篁家の頭領となるのが一番の近道だ。
それを回避するための身代り、ス
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