暁 〜小説投稿サイト〜
ランス 〜another story〜
第3章 リーザス陥落
第91話 サウスの戦い
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 シィルも 驚きを隠せられない様子だったが、ランスの言葉で 気をしっかり持つ事ができ、慌てて 上空に向かって炎の矢を放った。

 それは、かなみとのやり取りと同じ方法。まだ日も明るい日中だが、まるで問題ない様だ。

 


 ランスの合図は――しっかりと届いたのだから。

「……合図、来たわよ。ユーリ。マリア」
「ああ。……見せてやろう。オレ達は、簡単に潰されない、と言う所をな」

 にらみつける様に、鉱山を見上げるユーリ。自軍に迫るまで、まだ猶予はある。……間違いなく、こちら側の狙いの方が、あの岩が味方に直撃するよりも早い。

「まったく……、無茶苦茶な事、させるんだから……。でも、志津香とユーリさんなら、ランスの無茶も、しっかりとフォローしてくれる、って思うんだよね。息ぴったりで」

 にこやかに 並んで立つ2人を見て、そういうマリア。 

「―――馬鹿な事言う前に、しっかりと働きなさい!」
「はーいっ、志津香先生っ!!」

 びしっ! と敬礼をしつつ、マリアは チューリップ3号の中に入った。


「……マリアは、ランスに言われた通りに連中が潜伏している中腹部あたりを狙え。あの場所を崩落させ、無傷でいる為には、位置的にあの場所以外他にはない。…移動時間を考えてもな。あの落ちてくる岩は、オレ達に任せろ」
「んっ、任せたわよっ! ユーリさん! それに、志津香っ!」
「……任せて」

 志津香は、両足を左右に開き――そして 両手を前に出して構えた。
 白光が、志津香の両の手に集中していくのがよく判る。輝く光は、あたりを眩く照らす。

 そんな志津香の隣で、剣を構えているのはユーリだ。刀身に手を充てがい……ゆっくりと根元から切っ先へと、動かし……やがて、刀身が光出す。


 志津香の光にも負けない程のもの―――。


《リ・ラーニング》


 発動させるは、己の技能。


 2人が放つは――下衆びた笑みを浮かべているであろう外道に向けての裁きの鉄槌。
 
 




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