異伝〜未来への系譜〜
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「ん……顔に出てしまっていたか?」
「いえ………ですが長い付き合いです、雰囲気でわかります。」
「ならば俺が考えていることもわかるだろう。眼前に広がる大舞台………格好を付けさせて貰おうか。………遥か未来の仲間達に誇る俺達の活躍の第1歩として。」
「はい。………どこまでもお付き合い致します、ヴァイスハイト様。」
ヴァイスとリセルが会話をしていると、ヴァイス達の背後に大勢の兵士たちが整列していた。
「ヴァイスハイト様、部隊の配置が完了したようです。………ご命令を、ヴァイスハイト様。」
状況を見たリセルはヴァイスに視線を向けて報告し、報告を聞いたヴァイスは静かに頷いた後兵士達の方にリセルと共に振り返り
「待たせたな、諸君。然るべき時が来た。我々は任務を忠実に遂行するのみ。……………目標はメルキア帝国センタクス領、東の都センタクス。ユン・ガソルに奪われたこの地を奪還する。狙うは三銃士エルミナ・エクス!他には目もくれるな!頭を叩き潰せ!全軍、前進ッ!!」
覇気を全身に纏い、拳を空へと上げて大声で号令をかけ
「オオオオオオオォォォォォォ――――――――ッ!!」
メルキア兵達はそれぞれの武器を天へと掲げて咆哮を上げ、ヴァイスとリセルの指示の元、戦闘を開始した!
<戦術を極めし覇王> ヴァイスハイト・ツェリンダー
<覇王を支えし副官> リセル・ルルソン
”影の国”から帰還したヴァイスとリセル。センタクス領奪還の戦を切っ掛けにさまざまな人々との出会いや別れを経験しながら数々の戦に勝利し、その結果さまざまな事情の元、ヴァイスは皇帝へと即位し、リセルは宰相として……そして後にヴァイスに求婚されて結婚し、宰相を務めながらも正妃として一生ヴァイスを支え続けた。結婚式で見せたリセルの笑顔はリセルの一生の中で一番の笑顔であった。また結婚式でのリセルの姓は何故か、”ルルソン”ではなくかつて心の底から嫌っていた父の姓に変わっていた。……メルキア帝国皇帝ヴァイスハイト・フィズ・メルキア―ナ。後世の歴史家によって付けられた彼のあだ名の内、最も代表的であるのは二つ。それは真逆の意味を持つ。庶子でありながら帝国に叛旗を翻し、皇帝とその側近である元帥の命を脅かした恐ろしき”簒奪王”。混乱の極みであった国内をまとめあげ、中原東部の国々を平定し、メルキア帝国の全盛期を築いた偉大なる”賢王”。彼が何を思い、何を願って戦いに身を投じたのか………歴史書には一分たりとも記されていない。記されているのはただ、彼が何を成したのかという端的な事実…………ただ、それだけであった…………………
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