第28話
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ロイド達が支援課のビルに戻ったその頃、バス停に来たバスに乗り込んだレンは最後部の座席の窓際に座った。
〜アルモリカ村〜
「フウ……記念祭で臨時バスが出ているとはいえ、それでも本数は少ないわね。―――さてと、ロイドお兄さん達の方はどうなっているのかしら?」
座席に座って溜息を吐いたレンはイヤホンを取り出し、イヤホンについているスイッチらしきものを押して片方の耳に当てた。
「(………どうやら、無事保護したみたいね。しかもユウナも一緒にいるなんて……ね。”あの二人”にできた新しい子供を探してあげるなんて一体どんな風の吹きまわしかしら?)……………え―――――――」
イヤホンから聞こえてくるロイド達の会話を聞いていたレンは複雑そうな表情をしたがイヤホンから聞こえて来たある言葉を聞くと呆けた声を出した。
〜特務支援課〜
「……寝ちゃったか。」
レンがバスに乗る少し前自室に入ったロイドは自分のベッドで眠っているコリンを見た後近くにいるユウナに尋ねた。
「ふふ………可愛い寝顔ね………何の罪も知らない、無垢で純粋でまっとうな子…………この子が赤ん坊の頃の写真は見た事あったけど………その子がこんなに大きくなったんだ。」
「………………………さっき、その子の親御さんに連絡したよ。大急ぎで迎えに来るってさ。」
口元に笑みを浮かべて語るユウナを黙って見つめたロイドは静かな表情で答えた。
「そう……………」
「君は一番の功労者だ。当然、紹介するのがスジだとは思うんだけど………」
「―――必要ないわ。ユウナの名前も、存在も。その人達に伝える必要はない。」
「でも……………―――なあ、ユウナ。”影の国”の時からわかってはいたけど、改めて君――いや、君とレンが本当の意味での『天才』である事はわかったよ。」
「ふふっ………―――お兄さん、やっぱりなかなか見所があるわね。そう、ユウナとおねえちゃんの本質はそこにある。あらゆる情報を取り込み、処理し、自らを含めた環境を適切に操作する……戦闘技術も、ハッキングも、経営能力も、投資能力も、博士論文も、人形の操作も、お茶会の作法も、全てはその本質に拠っていると言えるわ。」
ロイドの話を聞いたレンは不敵な笑みを浮かべてロイドを見つめて答えた。
「は、博士論文!?―――って、まあ今はそれはいいか。つまり、君とレンにはわかるってわけだ。何をどうすれば自分の望みを叶えられるのかを。」
「クスクス、そうよ。どんな望みでもユウナとおねえちゃんは叶えることができる。ううん、正確にはどうやったら世界に自分達の望みを叶えさせればいいのかがわかる。それがユウナとおねえちゃんの力そのものだから。」
「………
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