第28話
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コリン………」
「はは………また寝てしまったか………」
「よかったらそのまま寝かせてあげてください。こちらは大丈夫ですから。」
「ありがとうございます。本当に何から何まで………しかし……ソフィアやコリンと同じ髪の色の娘さんか。これも女神とあの子達のお導きかもしれないな………」
「ええ………私もそう思います。」
「その……何か事情がおありみたいですね?」
ハロルドとソフィアが呟いた言葉が気になったロイドは真剣な表情で尋ねた。
「ああ、いえ………」
尋ねられたハロルドは誤魔化そうとしたが
「………あなた、私は大丈夫です。ここまでして頂いたのですから少しは事情をお話しないと………」
「………そうだな。」
ソフィアに言われて、静かに頷き、やがて口を開いた。
「―――私達夫婦にはかつて双子の娘達がいました。もう7年以上前のことです。」
「あ………」
「その……いたというのは、やはり………」
「はい、不幸な事故で……いえ―――事故ではありませんね。あの子達は………私達が殺したようなものだったんです。」
エリィに尋ねられたハロルドは答えかけたがすぐに言い直した。
「え………!?」
「そいつは………」
ハロルドの答えを聞いたティオは声を上げ、ランディは目を細めた。そしてハロルドは過去のいきさつを語り始めた。
「―――8年前。駆け出しの貿易商だった私は拡大するクロスベルの貿易市場で何とか勝ち残ることに必死でした。その結果、共和国方面の危険な相場に手を出してしまい………多額の債務を負う事になったんです。幼い娘達を連れながらの逃亡生活………逃げども逃げども債権者に追われ、私達に安住の地はありませんでした。 このままでは悪名高いマフィアが出張ってきてしまうかもしれない―――それを恐れた私達は娘達を旧い友人の所に預けました。
共和国に住む、信頼できる友人です。全て借金を片付けて………完全に身綺麗になったところで娘達を迎えに来るつもりだったんです。―――幸い、頼りになる先生の助言で私達は債務を整理する事ができました。コネやツテを生かして事業を建て直し、死にものぐるいで働いて………何とか1年で、借金の全額を返済することに成功したんです。
これでやっと娘達に会える………また一家4人で暮らすことができる………そう思って……娘達を預けた友人の元を訪ねたら………―――不審火、だったそうです。その頃、組織だった放火強盗事件が共和国方面で頻発していたらしく………私の友人宅も、その被害に遭いました。友人宅は郊外にあったため、当局による発見も遅れて………そして………預けていた私達の娘達もそれに巻き込まれていました………私達
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