暁 〜小説投稿サイト〜
蒼き夢の果てに
第6章 流されて異界
第143話 災いなるかな……
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った、と言う事。

 まぁ、もっとも、ハルヒの考えも分からなくはないのですが。
 自分は眠くない上、暇を持て余している状態。然るに、その隣で自らの子分……だと思って居る奴が太平楽に寝ていたら、少しぐらいは悪戯してやれ、的な感覚になったとしても不思議ではない。
 但し、詰めが甘い。もし本当に俺を驚かせたいのなら、この程度ではヌル過ぎて話しにならない。むしろ布団の中に潜り込んで、俺の腕の中から先におはよう、と言う挨拶をした方がよほど効果は大きかったと思う。
 次はタバサの番か、……と警戒しているトコロに大穴のハルヒが来たら、それは度胆を抜かれるでしょう。

「素直に何すんのよ、と叫んでぶん殴るわよ」

 何、クダラナイ事を言っているのだ、この男は、……と言いたげな表情でマウントポジションから俺を見下ろしながら、そう答えるハルヒ。
 ――成るほど。

「どうやら、俺とオマエさんの間には相手の立場や性格、その他に関して多少の見解の相違と言うヤツがありそうやな」

 一度、じっくりと話し合う必要は感じるが。
 もっとも、俺が眠りに就いた……と言うか沈没した時は、確かハルヒの隣で何か会話を交わしながらテレビを見ていた時。しかし、目覚めたのは布団の中。……と言う事は、寝てしまった俺を布団に寝かせてくれたのは、このマウントポジションから妙にエラそうな態度で俺を見下している少女だと思う。
 つまり、コイツはへそ曲がりで、口では何のかんのと言いながら、寝てしまった俺を放置もせずに布団を敷いて、寝かせてくれた……と言う事なのでしょう。

 ただ……。
 そう考えながら、自由になった右手で瞼をグシグシと擦る俺。同時に生あくびもひとつ。
 結論、未だ寝足りない。

「取り敢えず、其処からどかないのならそれでも良いわ」

 別に実力で排除しなければならない理由はない。そのまま馬乗りの状態を続けるのなら、硬気功を使って身体を硬くしてから寝ればそれで良いだけ。
 そもそも、その程度のことで俺を起こせると思うな。

「ちょっと、何をあっさりと二度寝しようとしているのよ!」

 おやすみの一言と共に、右腕で瞳を覆いながら再び眠りに就こうとする俺。その俺の腕を無理に外し、二度寝の阻止に動くハルヒ。
 ……と言うか、何故、其処まで俺が起きる事に固執しなくちゃならない?

「俺は王子様の目覚めのくちづけでしか目が覚めないんや。それが分かったら、もう少し寝かせて。お願い」

 仰向けになって居たのを、掴まれた右腕を上にする形で横になりながら、そう言う俺。
 もうこうなって仕舞うとほとんど駄々っ子。我ながら少し情けないかな、などと頭の片隅で考えながらも、引っ込みが付かずにこう言う態度を取って仕舞う。
 何時もの朝は有希やタバサが起こ
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