第二十三話
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オラーグは純粋な悪魔。純粋な悪魔をこれ以上減らしたくはないというサーゼクスさんなりの配慮だろう。
それからそれぞれの夢を語り合うようになっている。
「俺の夢は魔王になること……ただ、それだけです」
最初にそれに答えたのはサイラオーグさんだった。迷い無く、サーゼクスさんを正面から見据えながら堂々と言い切った彼は正直この夢を諦めることなく達成するだろうという確信めいた何かが俺の中にあった。
「ほお、大王家から魔王が出るとしたら前代未聞だな」
って事は、もしその夢を実現したら、掛け値無しの偉業という事になるな。頑張れよ、サイオラーグ。
俺は心の中でそっと応援した。
「私はグレモリーの次期当主として、これから先どんな困難が立ち塞がろうと、“誇り”だけは決して失わない様に生き、そしてレーティングゲームの各大会で優勝する事が近い将来の目標です」
二番手はグレモリー先輩。家と誇りを大事にする彼女らしい目標だった。
(まあ、情愛が深いだけじゃこの先、生きていけないとも思うけどな)
彼女は俺たちが彼女達と関わる前、一度レーティングゲームをしたらしい。相手はフェニックスの三男。
実力もかけ離れた相手だというのに、彼女は諦めず、最後は兵士である神名流星がフェニックスを倒したらしい。
だけど、俺はゲームを観戦していたグレイフィアさんから聞いている。
正直、見ていられない程の酷さだったようだと。
まともに戦えていたのは木場と塔城だけ。女王である姫島先輩は油断して負けてるし、グレモリー先輩は挑発に乗って仲間がやられそうになったらすぐさま降参しそうになったらしい。
神名は能力に任せてがむしゃらにフェニックス三男坊に攻撃を繰り返しただけらしいし。
今まではそれでいけたかもしれんが、これからはそんなのでは生きていけないだろう。
まあ、その辺はアザゼルさんが考えてるだろうし、俺が考えることでもないか。
その後、ディオドラ、シーグヴァイラさん、ゼファードルの順で夢を語っていく。
そして最後にシトリー先輩の夢を語る番になった。
「私の夢は冥界にレーティングゲームの学校を建てる事です」
へぇ、学校か……ソーナ会長は学校を建てたいんだ。先生になりたいのかな。会長は駒王学園を愛しているしな。俺の後ろでうんうんとエリスやリンスレット、クレアやルビア、アーシアやヴァーリ、というか全員が頷いている。
俺自身も感心していたのだが、上の方に座っている上層部の爺達は眉根を寄せていた。
「レーティングゲームを学ぶところならば、既にある筈だが?」
確認するように爺共はソーナ会長に訊く。それを淡々とソーナ会長は答える。
「それは上級悪魔と一部の特権階級の悪魔
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