機動戦艦ナデシコ
1362話
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こちらの実力を見せつけ、迂闊な行動を取らせなくする。……いつもやってる事だし、そんなに気にする必要はないか。
未だに何やら言い争っている2人に向け、瞬動を使って一瞬にして男の……元一朗と呼ばれている男の側へと姿を現す。
「なっ!?」
それに気が付き、懐の中に入れた手を出そうとするが……その腕を掴み、動きを止める。
何とか必死に腕を抜こうとするが、俺の身体能力を考えればそれは無駄以外のなにものでもない。
「諦めろ。俺とお前達では、そもそも存在の格が違う」
悪の地球人とか言っている、ヤマダモドキ。……混沌精霊としての俺の姿を見せれば、まず間違いなく敵対しそうだな。
「くっ! この馬鹿力め! これでも受けてみろ!」
空いている左手をこちらに伸ばしてくる男は、自分の右手を押さえている俺の右手を握り……へぇ。
瞬間、男の顔は驚愕に固まる。
今、自分が何をしようとしたのか、そして出来なかったのかを理解しているのだろう。
この男が今やろうとしたのは、何らかの生身の攻撃。それも柔道とか合気道とか、そっち系等の相手の力を利用して放つ攻撃だ。
だが、その攻撃を仕掛けようとした瞬間、俺はその力を完全に受け流した。
まさか自分の攻撃がこうも簡単に受け流されるとは思ってもみなかったのだろう。
余程自分の力に自信があったようだが、このナデシコ世界の住人が俺と生身で戦おうなんて、自殺行為でしかない。
いやまぁ、機体を使った戦いでもニーズヘッグがある以上は大して変わらないんだが。
「どうした? 何かしたか?」
力を受け流したのを表に出さず、敢えて何もなかったかのように尋ねる。
そんな俺の言葉で、白鳥も何が起きたのか理解したのだろう。慌てて男の肩へと手を伸ばす。
「おい、元一朗! いい加減にしろ! 確かにエザリアさん達は地球人を連れてきたが、だからって一国の使者として来た相手を攻撃していい筈がないだろう! そんな真似をしては、それこそ自分達が悪だと言っているようなものだ!」
「ぐっ、し、しかし……」
何かを言い返そうとするのだが、その前に白鳥が口を開く。
「すいません、エザリアさん。それに他の皆さんも。この男は月臣元一朗といって、私の部下……いえ、親友です。元々熱い男で、地球に対しては、その……」
言葉を濁す白鳥。
なるほど、この元一朗……いや、月臣という男は白鳥よりも更にヤマダタイプな訳か。
「君も。もう元一朗の手を離してくれないか。もうこれ以上勝手な真似はさせないから」
うん? ああ、そうか。そう言えば俺の自己紹介はまだだったな。だからこそ、白鳥の視線はエザリアにばかり向けられていた訳だ。
この場にいる者の中で、エザリアが一番偉い責任者
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