機動戦艦ナデシコ
1362話
[3/5]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
「エザリアさん、こちらです!」
格納庫から軍港へと降り立った俺達を出迎えたのは、当然ながら白鳥。
近くには星刻のような黒い長髪をした白い学生服の男もいる。
いや、白鳥も白い学生服を着ているし、もしかしてあれが木連の軍服なのか?
……何で学生服?
勿論ただの学生服じゃなくて、色々と手を加えられてはいるんだろうが……それでも何故学生服の形にしたのかには疑問に思う。
疑問を抱きつつも、俺達は白鳥の方へと向かい……
「待て、九十九!」
俺達が近づいた瞬間、白鳥ではないもう1人の方の男が鋭く叫ぶ。
その声同様に鋭い視線が向けられているのは、俺……ではなく、俺達の後ろにいるヨシサダだった。
「見ろ、奴の制服は連合軍の物だ! つまり、このシャドウミラーという者達は悪の地球人と繋がっているんだ!」
「そ、そんな事は……」
いや、何だよ悪の地球人って。本当にヤマダモドキっぽい感じだな。
「エザリアさん、これは一体?」
白鳥が救いを求めるようにエザリアに尋ねてくるが、元々ここで連合軍の軍人であるヨシサダの存在が問題になるというのは、前もって予想されていた事だ。
だからこそ、エザリアも特に動揺した様子もなく口を開く。
「私達が最初に姿を現したのが地球だった以上、連合軍と交渉するのはおかしくないと思いますが?」
「見ろ! やはりこいつらは俺達を相手に何か罠を仕掛ける気だ! こんなキョアック星人のような奴等を信用するのは間違ってたんだ! 九十九、今からでも遅くはない。草壁閣下にこの件を知らせて、然るべき処置を……」
「待て、元一朗。もし俺達を罠に仕掛けるのであれば、こうも堂々と連合軍の軍人を連れてくる筈がない。であれば、これには全く別の何かがあるのではないか? ……エザリアさん、その辺はどうなんでしょうか?」
「正確にはこちらのヨシサダ少将は、私達と貴方達木連との交渉の見届け人という立場よ」
エザリアの言葉に合わせるように、ヨシサダが俺達の前に出る。
それを見た瞬間、元一朗と呼ばれた男が懐へと手を伸ばし掛けるが……
「待て、元一朗!」
量産型Wがヨシサダとエザリアを庇うように前に出て、俺が瞬動を使って元一朗とやらとの距離を縮めようとした瞬間に白鳥が叫ぶ。
その声に元一朗とやらは動きを止め、何故止めるのかと白鳥を睨み付けた。
「何故だ九十九! この者達は悪の地球人の手先! そんな悪はこの俺が滅ぼしてくれる!」
何だろうな、悪の地球人とか言われると微妙に苦笑が浮かんでくる。
まあ、それでもこのままにしておけばいらない騒動になるが……
どうする? とエザリアの方へと視線を向けると、それに頷きが返される。
どうやらやってもいいって事らしい。
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ