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勇者番長ダイバンチョウ
第17話 超必殺! これが俺の番超拳だ!
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「あいつら、こんな時に―――」
「丁度良い。お前の覚悟、奴らとの闘いで見せて貰うぞ」
「あぁ、好きなだけ見てな。そして、その後で俺に言ったこと全部否定させて貰うからな」
「それが出来ればだがな」

 その場から動こうとしないゴウバンチョウを尻目に、ダイバンチョウは町へ向かい駆けて行った。一心不乱に走り去っていく様を、遠目からゴウバンチョウが見つめている事も気に留めずに、ダイバンチョウは走って行った。

「番、熱血モードを使いこなせぬようでは。奴らには到底勝てんぞ。己の男を磨き上げろ。そして、『漢』になれ!」

 誰も居なくなった戦いの跡地にて、ゴウバンチョウが一人呟いていた。その言葉の意味とは一体。
 その真相を知っているのは、恐らく番長仮面ただ一人であろう。




     ***




 ダイバンチョウが辿り着いた頃には戦闘は既にひと段落ついた後であった。
 ダイバンチョウよりも前に紅バンチョウやドリル、レッド、レスキューらの活躍によりゴクアク組の構成員達は残らず駆除されていた後なのであった。

「遅かったじゃないか、番」
「悪い悪い、ちょいと野暮用があってな。にしても……またこんな雑魚ともを差し向けて来たってのか?」

 目の前に転がっている残骸から見るに、相手は雑魚の構成員程度でしかない。腕利きの宇宙人ではなかった。一体何の真似なのであろうか。
 この程度の構成員では到底番長達の相手になどなる筈がないと言うのに。
 疑念が募るばかりだった。

『まぁ、良いじゃねぇか。それよりもさっさとぶっ壊れた町の修復をしねぇとな』
『あ、僕は怪我人の救助を優先しますね』
『そんじゃ、わしゃ消火作業でもするかのぉ』

 戦いが終わればその後は壊れた町の復興作業が行われる。如何に弱い構成員と言っても10m以上の巨体なのでビルを壊す位訳ないのだ。
 それを直すのに人間の力だけだと相当な時間が掛かってしまう。だが、番長達が手を貸してくれれば瞬く間に元通りになれるのだ。
 
「やれやれ、んじゃあたしらは瓦礫の撤去から始めるとしますか」
「おう、さっさと終わらせて飯に……ん?」

 何かの気配を感じた。それも敵意にも似た感覚だ。気配を感じたダイバンチョウは上空を見上げる。気配の主は案外すぐ近くに居た。
 上空を漂う姿はまるで空飛ぶ円盤そのものであった。そんな如何にも不格好ななりをした物体が地面へと降り立つ。

「ふん、ただの構成員程度ではその程度ってところか。まぁ良いだろう」
「誰だてめぇ!」

 目の前に降り立った円盤であったが、地面に着地するやいなや其処から手足が生えだし、地面に足を付けて立ち上がる。しかし、やはりその姿も不格好と言えば不格好そのものであった。


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