第17話 超必殺! これが俺の番超拳だ!
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のだ!」
突如として、ゴウバンチョウから凄まじいまでのエネルギーが発せられた。みるみる内にゴウバンチョウの体が真っ赤に染まって行く。離れている筈のダイバンチョウですらゴウバンチョウから発せられている熱量を感知できる程であった。
「こ、これは……熱血モード!?」
「熱血とは、単に怒りで発動させるのではない。己の内なる感情を、魂を燃え上がらせる事だ。今の貴様の魂は冷え切っている。そんな状態では熱血モードなど発動する筈がないのは当然の事よ」
「俺の魂が……冷え切ってる……だと!?」
信じられない発言であった。俺の魂が冷え切っている。
確かに、ゴウバンチョウはそう進言してきたのだ。まさかそんな事がある筈がない。番はそう思った。
魂が冷え切っている。そんな筈はなかった。現に番の心は激しい怒りで烈火の如く燃え上がっている筈なのだ。
なのに、ダイバンチョウは一向に熱血モードへ移行しない。にも拘わらず目の前のゴウバンチョウはあぁもあっさり熱血モードへの移行を果たしてしまっていた。一体何が違うと言うのだろうか?
「冷え切った魂では必殺の拳など到底打てはしない。必殺技とは己の魂をつぎ込み、己の技一つに己の全てをつぎ込み相手を倒す一撃必殺の技なのだ!」
「一撃必殺の……技……」
「そうだ、必殺技に二の太刀はない。放った瞬間に己の命すらつぎ込み叩き込む。必殺技とはそれ程までの覚悟があってこその必殺技なのだ。今のお前にそれが出来るか? 出来はしない。お前のその冷え切った魂では到底必殺技など出来はしないのだ!」
面前に立つダイバンチョウを指さしてゴウバンチョウが言い放った。何とも理に適った言い分なのだろうか。番は心底そう思えてしまった。
必殺技とは己の全てをつぎ込んで相手を倒す一撃必殺の技。その技に二の太刀は存在しない。仕留められなければ全てが終わり。それ程までの覚悟があってこその必殺技。
そう言う事なのであろう。
「お、俺にだって……俺にだってそれ位の覚悟ある筈だぜ!」
「今のお前にはその覚悟など微塵も感じられない。今のお前がやっている事は、ただの子供の喧嘩に過ぎん。そんな事では、これから先の脅威に立ち向かう事など不可能だ!死にたくないのならば尻尾を丸めて逃げる事だな」
「冗談じゃねぇ! 男が売られた喧嘩を前にして逃げられるか! 俺はどんな奴が相手でも絶対に逃げねぇし負けねぇ! 今までも、これからもだ!」
「ふん、これだけ言っても聞かぬか。ならば……むっ!」
突如として、ゴウバンチョウが向きを変えた。ダイバンチョウもそれに釣られて首の向きを変えてみる。それは町の方角であった。その町の方から火の手が上がっているのが見える。
爆発音も多数聞こえてきた。恐らく、またゴクアク組の連中が攻めて来たに違いない
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