第17話 超必殺! これが俺の番超拳だ!
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かと思うのだが―――
しかし、腹が減ってはなんとやら…だ。
「ま、熱中するのも程ほどにしておけよな。サンドバックだってタダじゃねぇんだしさ」
「わぁってるよ」
相変わらず生意気口調な真に一言そう返すと、再び新しいサンドバックをつるし始める。そんな番の姿を見ていた真であったが、すぐに何処かへと行ってしまった。恐らく家に帰ったか遊びに行ったのだろう。どのみち此処に居ても余り意味はない。
「さてと、今度こそ新必殺技を編み出してやる」
両の拳を鳴らし決意を新たに特訓を再開しようと気合いを高める番であった。
そんな時であった―――
「そんな事、やるだけ時間の無駄だぞ」
「何!?」
突如として、何処からか声がした。しかも、その声の内容は明らかに自分のやってる事をあからさまに否定している内容であった。
それに番は憤りを感じ、声の主を探し回った。
「誰だ! 文句があるなら目の前に出て来やがれ!」
「俺なら此処だ。轟番」
「!!!!」
声がしたのは上の方だった。丁度番が吊るしたサンドバックの枝の上に立つ形でその人物は立っていた。
その衣服は突飛と言える風貌をしていた。と、言うのもそいつが身に纏っていたのは番の着ていた服の色違いと言える代物だったからだ。
まるで同じ出来の学生服だったのだ。違うとすれば色が違うだけである。番の学生服は黒なのに対し目の前に立つそいつが着ている学生服は若干色が剥げ出した薄い灰色の様に見える。
更に言えば、その男の顔には丸い能面が被さっており素顔を見る事が出来ない。
しかも、その能面にはでかでかと『番長』の文字が掛かれていたのだ。
「誰だてめぇ!?」
「俺の名前は【番長仮面】貴様が余りにも不甲斐ないのでな。見ていられなくなってこうして出てきたって訳だ」
「俺が不甲斐ないだと?」
番長仮面と名乗った男が番を指さしてそう言う。その言葉に番は心外とも言える不満な顔をした。が、そんな事番長仮面は気にも留めずに話を続け始める。
「轟番。貴様は木刀ブレードを失ったが為に新たな必殺技を模索しているようだが、それ自体こそが不甲斐ない! 余りにも不甲斐なさ過ぎる! 貴様はそれでもこの町の番長か?」
「何だと?」
「良いか、轟番。必殺技とは、その名の通り必ず相手を殺す技なのだ。そんな力任せの打撃なぞ必殺には到底値しない。百発撃とうが一万発撃とうがそれが必殺技になる事は決してない!」
番長仮面の言葉がビシリと決まる。その言葉に番は反論する事を忘れてしまっていた。だが、すぐに思考を切り替えて反論するように頭を切り替えた。
「んなのやってみなけりゃ分からねぇだろうが! 男の喧嘩は命懸け、何でもやってみなけりゃ結果は分からねぇ。理屈ごねてる暇があん
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