第17話 超必殺! これが俺の番超拳だ!
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。さしものダイバンチョウも今度ばかりは一巻の終わりでございましょう」
「ふははははっ、それは良い。これであの地球は俺達ゴクアク組の物だ。これで今までの赤字もすべてチャラに出来る。事が済んだ後はあの星でしこたま宇宙麻薬を作りまくって売りさばけ! その後は地球人達を全て他の星に売り払えば正にウハウハ間違いなしよ!」
組長室内にて悪の笑いが木霊していた。なんともせこいやり口に見えるだろうが悪党なんだからこれで正論なのだ。寧ろ清々しい位に悪党をやっている様にも見えるんだからこいつらは間違いなく悪者で間違いない・・・今更である。
***
ゴクアク組の刺客が地球に向かっている事など、露知らずな番は新たな必殺技を会得するべく早速特訓に励んでいた。と言ってもやる事と言えばひたすらにサンドバック相手に殴る蹴る等を行うだけであり、そんな事をしてもそう簡単に出来る筈もなく、ただただいたずらに時間と体力を浪費するだけとなっていた。
しかし、とにかく番はひたすらにサンドバックを叩き続ける。それが例え無駄な行為であったとしても今の番には関係がなかった。とにかく何かしなければならない。自分なりに出来る事をやる。その結果がこのサンドバック叩きなのであった。
「うおぉりゃぁ!」
怒号と共に番の鉄拳がサンドバックを突き破った。中からザラザラと砂が零れ落ち、みるみる内にサンドバックが小さく萎んでしまった。すっかり見る影もなくなったサンドバックを前にして、番は小刻みに呼吸をしながら、額に溜まった汗を手の甲で強引に拭った。
「駄目だ、こんなんじゃ到底必殺技になんかなりゃしねぇ!」
愚痴を零し、地面に向かい拳を叩きつけた。確かに番の拳は相当な破壊力を持つ。だが、それだけではダメなのだ。もっと決定的な何かが必要なのだ。今までダイバンチョウで敵を葬って来た時の様な決定的な何かが―――
「まぁたサンドバックぶっ壊しちまったのか兄ちゃん?」
「あぁ、ったく! これで20個目か…」
「22個目だよ」
流石にそこまで壊すまでやるなと何処からかツッコミが飛んできそうな気配がしなくもなかったが此処ではスルーさせていただく。どうせ二人は気にしないだろうから。
とにもかくにも22個もサンドバックに風穴を開ける行為をしたんだから、番もすっかり体力を使い果たしている状態になっていた。全身汗まみれになり立っているだけでも結構しんどかったりする。
更に言えば猛烈な空腹感が襲ってきていたりする。
「あぁ、腹減った……真ぉ、何か食う物持ってねぇか?」
「持ってる訳ねぇだろ。その辺の雑草でも食ってれば良いじゃねぇか」
「バーロィ。俺はバッタじゃねぇんだぞ。まぁ、バッタだったら食うけどよ」
その発想もどう
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