第17話 超必殺! これが俺の番超拳だ!
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ち尽くし、白煙が立ち籠る中、ナノマイト星人は肩で息をしていた。
「ぜぇ・・・ぜぇ・・・ど、どうだ!?・・・幾らなんでも・・・これだけ攻撃すりゃ・・・奴もお陀仏―――」
「もうお終いか?」
「!!!!!」
白煙の中から声が響いた。目の前の煙が徐々に晴れて行く。晴れた白煙の中からその姿が少しずつ露わになってきた。
ダイバンチョウは健在だった。しかも、あれだけの攻撃を浴びたと言うのに全くダメージを受けた形跡がない。
悠然と目の前に立っていた。
「ば、バカな・・・俺の武器が・・・通用しないなんて・・・」
「お前のは所詮ただの攻撃だろうな。だが、それは必殺じゃねぇ。必殺ってのはななぁ、己の体から放つ一撃に全身全霊を込めて放つ物なんだよ。それが、それこそが必殺だぁっ!!」
ダイバンチョウの右拳が硬く握られる。腰を捻り、力を溜め、足を踏みしめ、全身の筋肉を震わせ、全エネルギーを右拳に集中し、それを放つ。
「これが俺の必殺だ! これが俺のぉぉ・・・【番超拳】だぁぁぁっっっ!!!」
必殺の名を叫び、拳を振った。体全身の筋肉のバネ、そして全身のエネルギー、何よりも、番自身の魂の炎、それら全てを右拳に乗せて放った。
放たれたダイバンチョウの右拳はナノマイト星人の堅牢な装甲を紙の様に破り、貫き、貫通した。
「げぅ!! ごぅぅおぉぉぉぉぉぉ!!!」
断末魔の叫びを挙げた後、ナノマイト星人は爆発四散した。辺りにそれと思わしき肉片が散らばるが、今のダイバンチョウには気にする余裕はなかった。
番超拳を放ったダイバンチョウの体は急激に冷めて行き、遂には立っている事すら困難になりその場に片膝をついてしまったからだ。
「はぁ・・・はぁ・・・で、出来た! これが・・・これが俺の必殺だ!!」
顔には疲労の色が浮かぶ番だったが、それと同じ位に彼は喜びを感じていた。今、番は新たな必殺技を手に入れたのだ。
一撃に全てを込めて敵を粉砕するダイバンチョウ最強の必殺技。
その名を【番超拳】。
この番超拳こそが、木刀ブレードに代わる新たな必殺技となった。しかし、必殺技とはその威力故に代償も大きい。
たった一撃を放っただけなのにダイバンチョウのエネルギーはほぼ0に近かった。番長仮面の言っていたのはこの事だったのだろう。
一撃必殺こそが必殺。必殺に二撃目はない―――
「番長仮面・・・あんたの言う通りかも知れねぇ・・・俺は今まで只喧嘩していただけだった。だから、俺の拳は軽かったのかも知れねぇ。だが、これからは違う。俺は戦う。そして、戦いの中で俺と言う男を磨き上げてやる。そして、その時は・・・今度こそ奴を・・・番長仮面を倒す!」
破れた結界の中で番は決意を固めた。倒すべく目標へ向けてただひたすら
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