第17話 超必殺! これが俺の番超拳だ!
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労はしねぇよぉ〜」
『え? 直せないんですか?』
「ダイバンチョウの木刀ブレードってのはよぉ、この宇宙でも極端に数が少ないって言われてる『怒根性樹』って言う巨木から作られてるんだってよ。んで、その怒根性樹は俺達の居る太陽系には一本たりとも生えてないんだよ」
怒根性樹とは、広大な宇宙の何処かに自生していると言われている巨木の事である。その名が示す通り凄まじい強度を誇っており、これで作られた武器は鋼鉄ですら豆腐の様に砕いてしまうとさえ言われている。
だが、その存在自体が眉唾物の存在な為に何処にあるのかは誰も知らないと言う。現物を見た者さえ居ないとされている正に幻の樹木なのであった。
「んで、その怒根性樹で作られた木刀ブレードをあんたは素手で折っちまったって事かい?」
「あい……その通りだす……」
すっかり意気消沈してしまい、机の上に倒れ込んでしまった。悩んでも悩んでも答えなど出る訳がない。増して、普段から悩みとは全く無縁の番が悩むのだから答えなど出る筈がなかった。
『何悩んでんだよぉ番。男だったら特攻上等! 体張ってぶつかってけば良いじゃねぇか!』
「ドリル。お前―――」
『ドリルの言う通りじゃ。所詮武器なんぞ本物の男が手にする物じゃない。本物の男っちゅぅうんは己の体を武器にして戦う物なんじゃ!』
「レッド―――」
『えっと、その……が、頑張って下さい! 番さん』
「レスキュー、へっ、有難うよ。お前ら」
「良い話だねぇ……んで、あたいには何もなしかい?」
「あ!!」
散々助言していた茜には何もなかった事に気づいた番であったが、その時には既に茜の踵落としが番の脳天に叩きつけられていた後であった。
***
ダイバンチョウの得物が無くなったと言う報せは直ちにゴクアク組の耳に入っていた。今まで多くの部下達を葬って来た憎き木刀ブレード。その木刀ブレードがダイバンチョウの手で破壊された事は彼らゴクアク組にとって正しく朗報と言えた。
「ゴクアク星王! これはまたとない好機に御座います。これを皮切りに地球を守ってる憎き番長達を葬りましょうぞ!」
「うむうむ、今まで苦渋を飲んできた甲斐があったと言うものよ。今度こそあの憎きダイバンチョウの最期が拝めると思うと今宵の酒は格別に上手くなるに違いあるまい!」
報告を聞いたゴクアク星王は大層嬉しそうに言葉を並べた。そして気分よく机の上に置かれていたバーボンオイル割を一気に飲み干してしまう。
冷たいバーボンとオイルの混ざりあった液体が喉を通って行く感覚が何とも心地よく感じられた。
「ふふふ、既に地球には腕利きの宇宙人が向かっているのだろう?」
「はい、今度の宇宙人はそれはもう腕っぷしの立つ宇宙人でございます
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