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レインボークラウン
第三百三十八話

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           第三百三十八話  インスピレーション
 占いが終わりカードを収めてからだ、赤音は机に座ったままジップとハリーにこんなことも言ったのだった。
「塾での占いの授業は聞いてたわよね」
「使い魔達も一緒だからね、魔女の授業は」
「勿論聞いてたわよ」 
 これが二匹の返事だった。
「占いはもう占う人の感性」
「それ次第っていうわね」
「カードなり水晶玉を見てどう感じたか」
「それだって」
「ええ、インスピレーションね」
 その教わった言葉もだ、赤音は話に出した。
「それだって言われてたけど」
「じゃあご主人は今そう感じたから」
「これは好きな人いるってね」
「それも両想いっていうのなら」
「そうじゃないかしら」
「そうなるわね、占いは推理じゃないから」
 赤音はこうも言った。
「インスピレーションだからね」
「じゃあ恋人はいる」
「そういうことね」
「そうとしか思えないしね」 
 感性で感じても頭で考えてみてもというのだ。
「じゃあこれでいいわね」
「感性に従うのが占い」
「それならそうなるってことね」
「ええ、まあお姉ちゃんが自分から言うかも知れないし」
 今後のこともだ、赤音は考えて言った。
「いるってね」
「その時にご主人の占いがわかる」
「正解だったかどうか」
「それならね」
「後が楽しみってことね」
「ええ、ただお姉ちゃんが奇麗になったことは確かだし」
 このこと自体にも言及した。
「いいことだったわ」
「そうね、お姉さんが奇麗になったことはね」
「それ自体がいいことね」
「もっと奇麗になって欲しいわ」
 赤音は笑顔でこうも言った。
「自慢のお姉ちゃんだし」
「あっ、そういえばご主人って」
「そうよね」
 二匹は赤音の今の言葉であることに気付いた、その気付いたことはというと。
「葵さんの悪口言わないわね」
「いいことは言ってもね」
「頭がいいとか可愛いとか」
「そういうことしかね」
「だって本当のことだから」
 それで、というのだ。何気に姉が大好きな赤音なのだ。そのことを使い魔達も知ったのだった。他ならぬ彼女の言葉から。


第三百三十八話   完


                           2016・4・28
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