暁 〜小説投稿サイト〜
オズのボタン=ブライト
第三幕その十二

[8]前話 [2]次話
「最高の気持ちになればいいよ」
「そうだよね」
「あたしはそのボタンも皆も見てね」
「楽しむんだね」
「何も食べなくてもね」
 それでもというのです。
「その食べる皆を見るのも栄養になるのよ」
「そうなんだ」
「そうよ、心のね」
「じゃあつぎはぎ娘さんもガラスの猫も」
「その通りよ」
 ガラスの猫もボタンに答えます。
「食べなくてもね」
「僕達が食べるのを見てだね」
「それが栄養になるのよ」
「見ているだけで」
「食べられる人は食べて笑顔になるでしょ」
「僕もね」
「その笑顔を見て心の栄養にするの」
 そうなるというのです。
「つまり心で食べるのよ」
「そういうことだね」
「それじゃあ」
「どんどん食べるから」
「見させてね」
 食べる時の笑顔をというのです。
「じっくりとね」
「とにかくね」 
 カルロスもゼリーを食べて言うのでした。
「このお菓子美味しいね」
「そうでしょ」
「こんなゼリーもあるんだね」
「スプーンで食べるゼリーとは別にね」
「何か癖になりそうだよ」
「わしは癖になっておるぞ」
 王様は既にというのです。
「ここまで美味いからのう」
「だからですね」
「もなかも饅頭もお団子も羊羹もじゃ」
「そしてういろうも」
「全部じゃ」
「何もかもがお好きですか」
「うむ、その子と一緒じゃよ」
 ボタン=ブライトというのです。
「本当に全部大好きじゃ」
「そうですか」
「ただのう」
 ここで、です。食べながらでした。
 王様は少し残念なお顔になってです、こんなことを言いました。
「食べて寝る前はな」
「歯を磨くことを言われてるんだよ」
 王子がカルロスに言ってきました。
「宮殿の人達にね」
「ああ、やっぱり」
「甘いものをいつもたっぷり食べているからね」
「それで寝る前はですね」
「よく歯を磨く様にってね」
「言われてますか」
「それがのう」 
 このことは少し困った感じで言う王様でした。
「辛いのう」
「いや、寝る前は絶対にですよ」
 カルロスもこのことは言います。
「歯を磨かないと」
「駄目か」
「オズの国では虫歯にはならないですけれど」「
「それでもじゃな」
「歯を磨かないと汚いですから」
 お口の中がです。
「磨かないと駄目ですよ」
「絶対にじゃな」
「お口の匂いも臭くなりますし」
「では今日もじゃな」
「毎日磨かないと」
「わかった、ではな」
 お菓子を食べながらです、そうしてです。
 王様は今日も歯を磨かないといけないと思うのでした、このことは嫌々ですが食べることはそうではありませんでした。
[8]前話 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ