第三幕その九
[1/2]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
「世の中には手元であるもので充分なのに」
「そこで満足出来るのがね」
「滅多にいないのよね」
神宝と恵梨香が言います。
「そうした人って」
「私達の間でも」
「持っていてもそれ以上欲しい」
「それが人間よね」
ジョージとナターシャも言うのでした。
「欲張りな人ばかりで」
「どうしてもそうした人が多いから」
「オズの国の人は確かに殆どの人が無欲だけれど」
またこう言ったカルロスでした。
「カルロスは特にだからね」
「無欲なのを自覚していないことこそ」
王子の言葉です。
「それが最高の無欲だね」
「そういうことになりますね」
「うん、ボタンは凄い子だよ」
王子はカルロスにこうも言いました。
「オズの国でも一番の無欲だからね」
「偶然と幸運にですね」
「愛されているんだね」
「僕そんなに凄くないよ」
またこう言ったボタンでした。
「ただ欲しいものがいつもあるから何も欲しくないだけだから」
「何かお話が平行線だけれどとにかく」
カルロスはお話をまとめました。
「ボタンが偶然と幸運に愛されていることは確かだね」
「偶然が強いオズの国でもね」
ここで微笑んで述べたオズマでした、その踊りの中で。
「この子はそうなのね」
「じゃあこの子と一緒にいたら」
「色々と偶然が起きるわよ」
「そうなりますね」
「そう、普通にね」
それこそというのです。
「これから何が起こるのか」
「楽しみなんですね」
「この王宮で何が起こるのか」
それこそというのでした。
「待っていましょう」
「遊びながらですね」
「こうしてね」
「ほっほっほ、楽しく遊んでそして飲み食いをしようぞ」
こう言ってでした、王様は。
楽器を鳴らす手を少し止めてです、傍にあった鈴を鳴らしました。
するとです、すぐにお付きの人が来ましてその人に言うのでした。
「お菓子とジュースをじゃ」
「こちらにですね」
「何でもいいからたっぷりと持って来てくれ」
「何でもいいのですね」
「甘くて美味しいものなら大歓迎じゃ」
「それでは」
こうしてです、そのお付きの人がお菓子の山を運んで来ました。そのお菓子はといいますと。
「あれっ、これって」
「そうよね」
恵梨香はそのお菓子を見たカルロスに応えました。自分もそのお菓子を見ながら。
「私の国のお菓子ばかりね」
「羊羹にういろうに」
「お饅頭に三色団子」
「もなかもあるし」
「ゼリーもあるわ」
お茶菓子のその少し固い感じで透明な食べられる生地に包まれたものです。
「全部ね」
「日本のお菓子だね」
「オズの国にも和菓子はあるけれど」
「日本のこうしたお菓子もね」
「あるんだね」
「おお、このお菓子がのう」
王様もその色々
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ